兵庫県看護協会 会長 成田 康子

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 新年あけましておめでとうございます。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、例年とは違う形で新年をお迎えのことと存じますが、年頭にあたり、医療の最前線で、国民の命を懸命に守っていただいている看護職をはじめ、医療従事者の皆さまに心からの敬意を表し、感謝申し上げます。

 2020年は、新型コロナウイルス感染症の対応に追われた一年でした。国・都道府県はさまざまな対策を取り、国民にも「新たな生活様式」として情報を発信していますが、収束には至っていません。

 国民の皆さまには、医療従事者が疲弊せず働き続けるためにも、引き続き感染防止策を徹底していただくとともに、心無い誹謗中傷や偏見・差別から医療従事者を守り、温かいご支援をお願いしたいと思います。

 兵庫県看護協会では、コロナ禍で一時、事業が停滞していました。しかし、緊急事態宣言の解除後は、会員サービスを低下させないために、リモート研修などを進めてきました。今年は、会員へのメリット・デメリット、看護職の働き方改革、事業の効率性と生産性を検討しながら、積極的にリモートを活用した事業展開を図っていきたいと考えています。

 また、コロナは看護に新たな課題を投げかけました。感染防止のための面会禁止の中でのリモート面会、リモートによる観察や情報収集・患者支援など、看護の基本である対面や接触でのケアが制限されました。しかしこれは、2025年以降の少子高齢社会に向けて、看護職の地域偏在や不足、特に在宅領域で働く看護職不足への解決策の一つだと考えます。ITを活用し業務の効率化を図り限られた資源の中で看護の質を維持・向上させること、また、リモートでいかに看護の心を伝え、対象者の生きる力を支えるケアを提供できるのか、新たな看護のあり方を考えていきたいと思っています。

 日野原重明氏は、「ナースに贈る35のメッセージ」(2009)の中で、「患者の生活がどうしたら豊かになるのか考えてケアするのが看護」と言葉を残しています。この言葉を胸に2021年度も、前向きに課題解決に取り組みたいと思います。

 さて今年は「丑年」です。丑年は「我慢(耐える)」や「発展の前触れ(芽が出る)」を表す年になると言われています。2020年から続くコロナ禍での看護協会活動を、丑年の「耐えて芽を出す」、そして、発展させる年にしたいと思います。

 今年も、ご支援、ご指導のほど、よろしくお願いいたします。

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