日本専門医機構 コロナ下の専門研修影響アンケート

You are currently viewing 日本専門医機構 コロナ下の専門研修影響アンケート

基本領域学会の8割が影響認める 長期化で深刻化懸念

 日本専門医機構(寺本民生理事長)は新型コロナウイルス感染症(COV
ID―19)の感染拡大による専門研修への影響を調べるため、傘下の基本領域学会(19)に対しアンケートを行い、6月11日、北村聖・専門研修プログラム委員長らが結果を発表した。外科、内科、病理、臨床検査など18学会が回答したが、8割に迫る14学会が「影響を受けている」と答えた。長期化で影響の深刻化も懸念されるため、5項目の対応策も打ち出した。

 同機構の専門研修整備指針では「プログラムで決められたローテート研修を行う必要がある」としている。しかし、アンケートで影響を尋ねたところ、「決められたローテートができない」「研修に必要な症例(種類・数=外科領域で350例以上、病理領域で解剖症例数30例以上など)が経験できない」「研修中(3〜5年)にプログラムを終了できない」との結果が出た。

本来のローテーションが組めない 最多8学会

 影響について、14学会(77・8%)が「受けている」と答え、「受けていない」は4学会だった。理由(複数回答)を14学会に尋ねると、「本来のローテーションが組めなくなった」が最多で8学会(57・1%)、「対応に追われたため本来の研修ができなくなった」は6学会(42・9%)、「手術件数が少なくなったため症例数が満たされなくなった」は3学会。その他の具体的理由として「学会出席や講習会などの実績が積めない。剖検症例の経験が危うい」「長期化した場合、教育プログラム講習の不足など、単位取得に支障が出る」「地域により手術症例が減っている施設が存在する」を挙げている。

 14学会に対応策を尋ねると、最多は「研修期間を延ばす」4学会で、「通常試験後、足りない経験症例などを約1年間で補充する」3学会、「症例数を緩和する」「変えない」がともに2学会だった。

機構は5項目の対応策も打ち出す

 機構では対応策として、▽通常のローテーションが行えない場合は各学会で柔軟に検討する▽症例数取得期間を研修年限より延ばす▽研修期間は認められている最大6ヵ月の中断を適用する▽感染症の対応にあたった場合、共通講習の受講免除する。e-learningの活用▽経験症例数などが不十分でも、認定試験後の満了を了解し、受験すれば、満了した場合、受験年度の4月にさかのぼり、認定する。web試験の実施など、検討する5項目を挙げている。



記事に関する感想・コメントはこちらから

このフォームに入力するには、ブラウザーで JavaScript を有効にしてください。
名前