新年あけましておめでとうございます。
2019年、当協会では「第50回日本看護学会―精神看護―学術集会」を開催しました。地域包括ケアシステムの構築が加速する中、精神障がい者の地域生活への移行と、退院後支援の仕組みの整備も進み、地域はもとより医療機関で働く看護職も、精神疾患や認知症などを持つ患者の診療・看護の場面で、さまざまな困難事例に直面する機会が増加しています。
そこで、本学会は、急性期から在宅まで全領域の看護職に生かされる精神看護を届けることを目標に、「対話でつなぐこころに寄り添う看護~幸福度日本一の福井から~」をテーマとしました。プログラムは、精神障がい者の地域包括ケアや認知症看護、児童虐待と養育者支援、セルフケアを必要とする人の行動変容支援などを企画し、参加した皆さまより「精神看護はどの領域の看護にも生かされることがわかった」という感想をいただきました。
本学会に参加した看護職の皆さまが、精神疾患や認知症などにより、増加する意思決定が困難な患者に寄り添い、対話することで、患者の意思を引き出し、より良い生活を送れるような支援につながるケアを行っていただけることを期待しています。
2019年度は、高齢者だけではなく、障がい者や医療ケアの必要な小児や周産期の母子も含めた、全世代型地域包括ケアシステムの実現を支えるために、各地区の課題解決に向けて、全看護職が連携して取り組むことで、県民の皆さまの健康寿命の延伸に貢献できるよう努力してまいります。
さらに、中小規模病院を対象とした、アウトリーチ型看護管理支援により、職場の労働環境改善の推進など、看護職の働き方改革はもちろんですが、保健師・助産師・看護師のキャリアデザイン形成への支援と看護の質向上のための人材育成や、在宅療養者を支える看護の拡大と機能強化を図るために、訪問看護ステーションへのさらなる支援にも取り組みます。
また、今年は、ナイチンゲール生誕200年となる年で、2020年度末まで、世界30カ国で世界保健機関(WHO)と国際看護師協会(ICN)が連携し、「Nursing Now!」キャンペーンが行われています。これは、看護職が持つ可能性を最大限に発揮し、看護職が健康課題への取り組みの中心に立ち、人々の健康向上に貢献するために行動するものです。
日本でも日本看護協会と日本看護連盟が協力し、キャンペーンを展開しています。福井県看護協会もこのキャンペーンに賛同し「看護職が活躍できる社会の実現」を目指し行動します。
結びに、皆さま方のご健勝、ご多幸をお祈り申し上げます。