病者の友となる看護師養成を目指して
1963年九州大学医学部卒業。同大学第二外科、スウェーデンルンド大学留学、九州医療センター病院長などを経て、2007年から現職。2016年瑞宝中綬章受章。
患者と接する時間が長く、チーム医療でも重要な役割を担う看護師。原看護専門学校は2017年4月、高卒以上の学生が看護師を目指して学ぶ「レギュラーコース4年制」(3年課程)を開講した。1期生はまもなく3年生になる。朔元則学校長と大東佐枝美副学校長に現状を聞いた。
―現状はいかがですか。
朔元則学校長(以下、学校長)本校のレギュラーコースは特殊なカリキュラムを組んでいます。通常、看護専門学校で3年かけて学ぶ内容を、4年間で学ぶ「昼間の定時制」です。
その分、少し時間的に余裕ができます。病院などでアルバイトとして働き、収入を得ながら勉強することが可能なのです。経済的に恵まれていなくても、看護師になりたいという志を持った人に道をひらくことになると考えています。
大東佐枝美副学校長(以降、副学校長)
1期生、2期生とも、入学者の半数ほどは社会人経験者で、残りは高校を卒業したばかりの10代。平均年齢は25歳です。全員、看護については「真っ白」な状態からのスタート。規則正しい生活をしながら看護についてだけでなくコミュニケーション力を身に付け、接遇も覚えます。
学校長3年課程を4年かけて修了する看護専門学校は九州では初めてです。全国でも7校目なので、高校の先生方にシステムについて理解していただくのに時間が必要でした。
副学校長座学中心の1、2年生は週3日の通学。実習が始まる3年生以降は、3分の2くらいは学校に通うことになります。
学校長実習は、系列の原土井病院など、グループで複数の受け皿をもっていますから、そこに学生の受け入れをお願いしています。
―これからの方向などをお聞かせください。
学校長原看護専門学校には、准看護師の資格を持った方が看護師資格取得に向けて学ぶ「進学課程」(3年制)があります。この進学課程を縮小し、レギュラーコースの定員を40人から80人にしようと計画し、今、準備を進めています。レギュラーコースの1期生が卒業するころには、定員を増やしたいと考えているところです。 また、学士や専門看護師の資格が得られるよう、文部科学省などとも相談し、実現できるよう努力していきます。
社会の流れで准看護師養成学校は減っています。看護師の割合が増加し、さらには高学歴化。大学卒の看護師も増えています。
レギュラーコースの学生はこれからですが、これまでの「進学課程」では、看護師国家試験の合格率は97%でした。2018年2月に実施された国家試験の合格率が全国平均で91.0%ですから、健闘していると思います。
副学校長女子用の学生寮も、学校から徒歩10〜15分の場所にいくつか用意しています。
原土井病院の事務部、看護部などと緊密な連携をとり、学生が借金を抱えて卒業することがないよう、仕事の確保以外にも奨学金制度の充実を図っています。入学式の時に、学生と保護者の方に内容を説明し、経済面などの相談にも乗っています。
学校長看護の原点は優しいことです。患者さんとまず接するのは看護師です。「病者の友となる看護師になってほしい」。われわれのこの願いを学生に伝え続け、知識や技術だけでなく、心の優しさも伴った看護師を育成していきたいと思っています。
学校法人原学園原看護専門学校
福岡市東区青葉6-40-7
TEL:092-691-0331
http://www.harakan.ac.jp/