医療法人 蔵本ウイメンズクリニック 蔵本 武志 理事長・院長

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チーム医療と確かな技術で不妊症患者に寄り添う

【くらもと・たけし】
1979年久留米大学医学部卒業、1985年山口大学大学院修了(医学博士)。山口県立中央病院産婦人科副部長、済生会下関総合病院産婦人科部長、オーストラリア・PIVETメディカルセンター留学などを経て、1995年蔵本ウイメンズクリニック開院、現職。久留米大学医学部臨床教授、JISART(日本生殖補助医療標準化機関)理事長。

 「子どもを産み、育てたい」と願うカップルのニーズに応えることは、少子化対策の一つでもある。1995年、不妊症治療を専門とする「蔵本ウイメンズクリニック」を開院した蔵本武志理事長・院長に、不妊治療の今と課題、そして、これからを聞いた。

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―不妊とは。

 妊娠を望む健康な男女が避妊をせずに一定の頻度で性交をしているにもかかわらず、1年以上妊娠しない状態を不妊と呼びます。主な原因は卵管の異常、卵子の老化、男性因子。近年、女性の初婚年齢が29歳、初産年齢が30歳以上と、どちらも30年前に比べ、4歳ほど上昇。今やカップルの5.5組に1組が不妊症で悩んでいる時代です。

 女性の妊娠適齢期は25〜35歳。妊娠率や出産リスクを考えると、この年齢での妊娠・出産が理想です。妊娠率は30代の前半から少しずつ低下し始めます。37歳になると急激に落ち、40歳以降は1年1年妊娠しにくい身体になっていくのです。

 しかし最近は、常勤でキャリアを積む女性が増えたことから適齢期での妊娠・出産を先送りする傾向があります。妊娠を望む時にはすでに卵子が老化している。不妊治療で来院する患者さんの多くは40代女性です。卵子の老化とともに卵子の染色体異常のリスクも上がり、流産率が高まります。

―蔵本ウイメンズクリニックが進めるチーム医療とは。

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 1990年に研修先のオーストラリアで、不妊治療専門の施設を訪れました。生殖医療専門の医師とナース・コーディネーター、エンブリオロジスト(胚培養士)、心理カウンセラーがチームとなって不妊治療をしている。その手厚くレベルの高い治療に感動して、帰国後すぐに不妊専門外来をつくり、その5年後には専門のクリニックを開院しました。

 クリニックには、日本初の体外受精コーディネーター(IVF)となった看護師や博士号を持った胚培養士を採用し、「チームで生殖医療を実践する」ことを決めました。チーム医療に欠かせないのは、カンファレンスとデータの蓄積です。カンファレンスは医師のみで週に1度、全体でも別日に週に1度実施しています。

 難治性の症例については定期的に情報を共有し、卵胞の作り方や顕微授精・培養の方法などを再検討します。その結果、難治性の方のうち38%は妊娠に至っています。

 出産率などの数字は、17年間蓄積した当院でのデータから割り出しています。これまでの不妊治療による妊娠数は約1万5千人。そのうち体外受精・顕微授精で約1万人が妊娠しています。年間妊娠数は人工授精を入れると1100人です。これまでの最高妊娠年齢が49歳、出産最高年齢は46歳でした。

 当院では最新のインキュベーター(培養器)を3台導入。培養器の中に高性能顕微鏡が入り、撮影をしながらコンピューターで記録を残し、解析することが可能です。培養中の胚を外に出さず観察できるため培養の環境が非常に良くなりましたが、まだまだ改良中です。

 常勤医は5人、不妊症看護認定看護師3人を含む看護師は15人。スペシャリストをそろえるだけでなく、意識と技術を高め続けるために、国際学会などにも積極的に参加させています。

 少子化問題から少しずつ不妊治療に対する助成制度も整い始めました。しかし、年収制限や43歳未満という年齢制限、回数制限などがあり、支給される助成金については、まだまだ厳しい面があります。

 現在、18人に1人が顕微授精を含む体外受精によって生まれています。流産を繰り返す不育症で悩んでいる人も少なくありません。まずは妊娠できるときに体外受精せず妊娠してもらうことが一番の願いですが、不妊症で悩む女性に、チーム医療で寄り添い、医療技術のクオリティーを追求することが使命だと思っています。

医療法人 蔵本ウイメンズクリニック
福岡市博多区博多駅東1-1-19
TEL:092-482-5558
http://kuramoto.or.jp/


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