京都中部総合医療センター 辰巳 哲也 院長

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広大な南丹地域で救急と急性期医療に全力

【たつみ・てつや】 1983 京都府立医科大学医学部卒業 1993 同助手 2004 同講師 2007 同助教授 公立南丹病院(現:京都中部総合医療センター)副院長 同循環器内科部長 2014 同院長

 南丹医療圏は、京都府の面積全体の25%を占めるエリア。国民健康保険南丹病院組合が運営する公的医療機関として、急性期医療を中心に担ってきた。2017年に公立南丹病院から現病院名に変更。広い医療圏の中で、患者の命を守るため、救急医療に力を注ぐ。

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―南丹地域では歴史の長い病院ですね。

 南丹病院の時代から数えて82年。急性期病床と地域包括ケア病床、回復期リハビリテーション病床を有し、地域完結型医療を目指しています。

 この南丹医療圏では、5疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病・精神疾患)、5事業(小児・周産期・救急・災害・へき地)のほとんどの分野で当院が中心的な役割を果たしていると考えています。

 心臓のカテーテル手術が約800件、冠動脈形成術が450件ほど、脚の血管形成術が約120件。経皮的冠動脈形成術の認定施設はこの医療圏では当院だけで、24時間循環器疾患の患者さんを受け入れています。

 がん診療にも力を入れてきました。2015年に放射線治療棟が完成。地域でがん治療を安心して受けていただける体制が、少しずつ整ってきたと思います。

 救急では、内科・外科系・産婦人科・小児科が当直医を配置。圏内に3次救急の指定医療機関がないことから、当院が2.5次救急まで診る体制を整えています。2017年度の実績で、1万3224人の救急患者、2936台の救急車を受け入れました。応需率は85%です。

 当院がある医療圏内は広く、搬送時間が長くかかってしまう場合もあります。先日、心筋梗塞を起こした患者さんの場合は、当院まで搬送する救急車と、医師を乗せて当院を出発した車がほぼ中間点で落ちあい、その場で処置を開始する方法をとりました。患者さんは、カテーテル治療を経て、無事、復帰されています。

 ヘリポートも設けています。当院への受け入れと、交通事故などによる激しい外傷や重度の熱傷で当院に運ばれた患者さんを京都市内の3次救急医療機関に搬送する際に、力を発揮しています。

―災害への対応は。

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 災害対応マニュアルを今年改訂しました。BCP(事業継続計画)に基づいて、風害や水害で病院のハード面の機能が一部損なわれた状態の中でも病院としての診療機能を維持することが基本です。

 当院の腎センターでは、年間200人が透析を受けています。大災害で透析が受けられないと命に関わることから、腎センターの看護師と臨床工学技師で災害チームを立ち上げ、被災時の訓練を行っています。備蓄面では、透析器材が1週間分、上水は240t。自家発電による連続運転は130時間可能となっており、5日以上透析が受けられる環境となっています。

 当院は、京都府が指定する13の災害拠点病院の一つです。今年7月の西日本豪雨では、透析で4人の患者さんを受け入れました。周辺病院が機能しなくなった状態でも、救急医療を最大限継続できるよう意識を高めています。

 将来は、新病棟を新築したいという構想を描いています。隣には救命救急センターをつくり、救急専門医を配置するなど手厚い体制をとりたいと考えています。

 医師の不足と偏在は南丹医療圏でも直面している課題です。当院は31の診療科がありますが、内分泌・代謝内科と血液内科は常勤の医師がいない状態です。脳神経外科も非常勤の先生に頼っているので常勤として来ていただけるよう準備しているところです。

 現在、地域医療支援病院の認定申請を行っています。指定されれば、医療連携に加えて、教育や研修の役割を担うことにもなります。各医療機関との連携を促進し、人材を育成して地域医療を守り続ける。この目標は、今後も変わることはありません。

京都中部総合医療センター
京都府南丹市八木町八木上野25
TEL:0771-42-2510(代表)
http://www.kyoto-chubumedc.or.jp/


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