一般社団法人 佐賀市医師会 吉原 正博 会長

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若手とベテランの融合で新たな風を吹かせたい

【よしはら・まさひろ】 1981 久留米大学医学部卒業 1982 佐賀医科大学内科入局 1994 医学博士学位取得 1995 医療法人智仁会佐賀リハビリテーション病院院長 2008 同法人理事長 2018 佐賀市医師会長 同医師会立看護専門学校長

 多岐にわたる役割を担う医師会。各種検診、予防接種への協力、小・中学校の校医、ケアマネジメントステーションのサポート、市民を対象とした講演会の開催など、行政と連携する活動も多数ある。今年、佐賀市医師会会長に就任した、医療法人智仁会佐賀リハビリテーション病院の吉原正博理事長に佐賀市医師会の現状やこれからの抱負を聞いた。

医師同士"顔が見える"関係を目指して

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―会長就任後はどのような日々ですか。

 毎日が忙しく過ぎていきます。佐賀市の医師会会長に就任すると、医師会立の看護専門学校の校長も兼任となります。他にも、保健福祉会館ほほえみ館にあった休日夜間こども診療所を、医師会館内に移設しましたので、その運営にも携わる必要があります。

 そうしたいろいろな活動で、週3日以上は院外に出ています。医師会の集まりはもちろん、行政との会議や保健所、小中学校関係者との話し合いもある。佐賀リハビリテーション病院では理事長職に就き、現場に出ることはほぼなくなりましたが、隣接する特別養護老人ホームの相談業務は担当しています。毎日、回診にも赴きますので、目まぐるしい日々です。

―目標としていることは。

 当医師会では前任の上村春甫会長の意志を引き継ぎ

"顔が見える"地域医療を目指しています。

 佐賀市医師会の会員数は約600人。エリア内には、大きな病院として、高度急性期を担う佐賀大学医学部附属病院と佐賀県医療センター好生館、急性期を担当する佐賀病院と佐賀中部病院などがあります。

 先日開催された地域医療構想調整会議では、これからの医療機関の在り方を考えている50人ほどの先生方が参加され、その後の懇談会は貴重な意見交換の場となりました。

 総合病院の医師と開業医による懇親会も3カ月ごとに開催しています。参加する開業医は50人ほど。総合病院からは40人くらいですね。

 患者さんを紹介する側の医師と紹介される側の医師が顔を合わせて話す機会を設けることで、実際の業務もスムーズになります。総合病院の先生方からは、ご自分の専門分野を紹介元となる先生方にPRする機会になると好評です。

 地域医療をより円滑にするための"顔が見える"関係構築のために、さまざまな仕掛けをしていく。それによって、会員や地域の患者さんに貢献していきたいと思っています。

―今回、医師会の人事では役員に若手の先生方を登用されています。

 今期の医師会の理事には40代、50代の先生方を積極的に起用しました。新たな女性医師も1人。若手や女性の意見を積極的に取り入れたいと考えています。

 ベテランの先生方の豊富な知識や経験に、若手世代の新鮮なアイデアや思い切った判断が加わることで、新たな風を吹かせることができるでしょう。活発に意見を交換し、補いあっていけたらと願ってます。

現場の感覚に近い看護師を養成する

―医師会立看護専門学校について教えてください。

 今年4月に佐賀市水ケ江に新築、移転しました。各学年2クラス計80人で、月・水・金曜に授業があるAクラスと、火・木・土曜に授業があるBクラスに分かれています。休みの日は病院で看護助手をしながら通っている生徒がほとんどです。

 社会人を経験した後に入学する生徒も多くいます。「シングルマザー」やご家族の理解や応援があって結婚後に挑戦する人もいますね。社会人枠は毎年激戦です。

 男性も増えています。今年は全体の2割ほどを占めました。「ドクターヘリなどで活躍するフライトナースにあこがれて」といった理由で入学する人も多いのではないでしょうか。昨年の看護師国家試験の合格率は100%でした。ただ、男性の場合、産婦人科での実習を拒否されるケースが多いことが問題点です。今後、この点も改善できたらと思います。

 教官は、医師会に登録している市内の医師にお願いしています。私も、昨年まで講義を担当していましたし、私の病院の医師にも、積極的に引き受けるよう伝えています。人に教えることは、指導する側にとっても勉強になることが多くありますし、現場で活躍されている方々の声を、講義に反映させることで、実践力のある看護師を育てることができると考えています。

開業医が抱える課題の解決にも関わる

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―これから特に力を入れていく必要がある部分は、どこだと考えていますか。

 今年4月の診療報酬・介護報酬の同時改定は、一部を除き、厳しい内容となりました。最新の情報を入手し、それを会員に伝えながら、診療所や病院を経営する先生たちのサポートをすることも、医師会の役割の一つです。

 佐賀市内には無床診療所が数多くありますが、少子化や人口の減少に伴って、患者数が伸び悩んでいます。経営を続けること自体が難しくなる場合もあります。

 介護療養病床廃止に伴い、新たに制度ができた「介護医療院」への移行も、診療所存続のための一つの方法です。無床の診療所が有床化して、一部を介護医療院にするという手法もありますし、実際に移行した医療機関もあります。

 国の方針で、入院期間の短縮化、在宅移行が進んでいますが、介護力の問題などもあり、自宅で最後まで看るというのは、なかなか難しいのが現状です。医療が必要な要介護高齢者を受け入れる長期療養・生活支援の場「介護医療院」は、今後、高齢者が増える中で、一層需要も高まっていくと思います。制度について、まだ十分に理解されていない部分もあると思いますので、医師会として説明の機会を設けることなども考えていきたいと思っています。

 それぞれの医療機関が、地域のニーズや自らの施設の将来をシミュレーションし、方向性を定める時期にきています。運営方針の見直しを迫られる施設もあるでしょう。積極的に情報を発信し、会員を支援していくつもりです。

 また、医師の高齢化も進んでいます。後継者がいない場合の事業承継についても、相談に応じていきたいと考えています。

 私は今年6月の就任にあたり、今まで以上に開かれた医師会をつくることを目標に掲げました。小さいと思われるような事案でも、理事会など議論の舞台に上げ、役員の先生などとしっかりと話し合って決定していきたい。医師会員一人ひとりの声に耳を傾け、今後の佐賀市の医療がより良くなるよう、努力していきたいと思っています。

一般社団法人 佐賀市医師会
佐賀市水ケ江1-12-11
TEL:0952-23-1414(代表)
http://www.sagashi-med.or.jp/


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