浜松医科大学医学部 泌尿器科学講座 三宅 秀明 教授

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講座一丸となってロボット手術の質を高める

【みやけ・ひであき】 1993 神戸大学医学部卒業 1998 同大学院医学研究科卒業 カナダバンクーバー総合病院博士研究員 2010 神戸大学大学院医学研究科准教授 2015 浜松医科大学医学部泌尿器科学講座准教授 2017 同教授

 ロボット支援下手術の普及に大きく貢献してきた泌尿器科領域。国立大学として初めて最新機種「ダビンチXi」を導入するなど、浜松医科大学泌尿器科でも積極的な取り組みが進んでいる。2015年に1例目を実施した同科のロボット支援下手術は、今年度300例を超える見込み。術者の育成、技術や安全性の確保において大切なことは。

―ロボット支援下手術の状況を教えてください。

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 泌尿器科の中心をなしているのは手術です。国内における泌尿器科領域のロボット支援下手術は、2012年に「前立腺全摘除術」が保険適用となって以降、実施する施設が増加しました。いまや、前立腺がん治療の選択肢の一つとして定着しています。

 今春の診療報酬改定でロボット支援下手術の保険適用の範囲が拡大。泌尿器科領域では前立腺全摘除術、2016年の腎部分切除に続いて、膀胱全摘除術が対象となりました。

 これらのがんに対して私たちとしても着実に実績を重ねていくと同時に、質の向上に努めなければならないと考えています。

 浜松市内において、ロボット支援下手術を実施している施設は浜松医科大学を含めて3カ所あります。私たちは大学病院の役割として、特に高度な技術が求められる腎部分切除術を中心に取り組んでいきたいとイメージしています。

―手術のポイントは。

 これまで腎部分切除術はおよそ100例を実施しました。腎がんは、腫瘍の場所、サイズなど、患者さんによって状態が大きく異なるのが特徴。「手術の難易度が高い」とされるのはこのためです。症状に応じて複数の治療のアプローチから最適な方法を選択していくことが重要です。

 当科が考える「質の高い手術」とは、次の三つのポイントを同時に満たすことです。まず「腫瘍を完全に切除」する。「術中の動脈の阻血時間は25分以内」にする。そして、「観血的処置が必要な術後合併症がない」ことです。

 腎部分切除術の所要時間は、平均的に2時間程度です。特に、動脈の血流を止める時間が「25分以内かそうでないか」で術後の腎機能は大きな影響を受けます。技術の習熟度を示す、一つの目安でしょう。

―質向上の取り組みは。

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 もちろん、術者によって技術に大きな差が生じることは避けなければなりません。当講座では、技術の維持、向上のために例えば前立腺全摘除術の修得に関して「四つのステップ」を設定したプログラムを展開しています。

 手術の全体の工程を四つに分け、段階的に技術のスキルアップを果たせるよう工夫しています。さらにステップごとに細かな課題を設けており、基準に達していないと判断された者はクリアできるまで次に進むことはできません。

 3月までは私がすべての手術に立ち会っていましたが、高い技術を持ち、しっかりと指導できる医局員が育ちました。誰が担当しても質の高い手術を行えるよう、さらに指導体制の強化を進めていきます。

 これまで、人材をどう確保するかという点では、やや苦戦が続いていました。それもここ3年間で好転のきざしがあり、8人が入局。2019年は5人ほどが新たに加わることになっています。人員をもっと充実させ、今後は基礎研究の面にも注力し、成果を残していきたいと考えています。

 また、臨床では「男性不妊治療」の分野にも積極的に取り組みたいですね。これまで長らく、不妊の原因の多くが女性側にあると考えられてきました。しかし近年の研究やデータなどが示すのは、実は「不妊の半分は男性側に原因があるのではないか」というもの。

 男性不妊症の治療に対するニーズは、浜松市でも高いと感じています。地域で対応できる体制の構築を目指したいと思います。

浜松医科大学医学部 泌尿器科学講座
静岡県浜松市東区半田山1-20-1
TEL:053-435-2111(代表)
http://www2.hama-med.ac.jp/w1b/uro/


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