今月の1冊 - 84.サザンオールスターズ 1978-1985

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スージー鈴木|新潮社256頁800円+税

 稀代のメロディメーカー・桑田佳祐を擁し、国民的バンドとして「偉大なるマンネリズム」の最高峰に位置するサザン、デビュー40周年。

 彼らにも紆余曲折があった。ザ・ベストテンの中継で黒柳徹子に「目立ちたがり屋の芸人で〜す」と桑田が叫んだことでコミックバンドのイメージが広がり、いかりや長介からザ・ドリフターズに誘われたというのは有名な話。

 サザンの代表曲として知られているのは、おそらく「勝手にシンドバッド」の系譜に連なる「胸騒ぎ系」か、「いとしのエリー」の血筋を受け継ぐ「バラッド系」のいずれかだろう。

 これらが「白歴史のサザン」だとしたら、シングルのカップリングやアルバムには、チャレンジ精神は旺盛だが消化不良だったり、完全にスベっていたりする「?」な楽曲も数多く存在する。天才・桑田といえども、ちゃんと「黒歴史」が存在しているのだ。

 そんな彼らが初期、デビューイヤーの1978年から1985年にかけて発表した8枚のアルバム(「熱い胸騒ぎ」から「KAMAKURA」まで)を、音楽評論家のスージー鈴木が徹底的に解剖している。

 この本が信頼できるのは「サザンがいかに革命的なポップミュージックを生んできたか」という点だけでなく、ちゃんとそうでない面にも注目しているからだ。曲の構造を緻密に分析し、同時代の他のアーティストとの比較なども用いて「なぜ名曲なのか」「なぜスベっているのか」について説得力に満ちたエビデンスが示される。

 類まれな才能が40年の歴史を支えた。才能が枯れないための養分は、たくさんの失敗だったのだろう。(瀬川)


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