成田赤十字病院 角南 勝介 院長

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急増する外国人患者 国際化の推進で受け入れを

【すなみ・しょうすけ】 1982 鳥取大学医学部卒業 1986 千葉労災病院小児科医員 1988 帝京大学市原医療センター小児科講師 1996 成田赤十字病院小児科部長 2018 同院長

 千葉県印旛医療圏で最大の716床を有し、地域の急性期医療や高度急性期医療を担う成田赤十字病院。国際交流の要所である成田空港を擁する成田市では、医療機関にもさらなる国際化が求められている。同院の対応策、感じている課題などを聞いた。

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―外国人患者の受け入れ状況は。

 成田空港にほど近い当院には、さまざまな国籍の患者さんがお越しになります。赤十字病院が掲げる理念の一つは「人道」。どなたにも分け隔てなく、質の高い医療を提供することがわれわれの役目です。

 外国人患者さんの窓口は「国際診療科」です。英語などでのコミュニケーションが可能な医師が常駐しています。入院の必要の有無を判断するほか、各言語で診断書を作成したり、大使館と連絡をとって治療にあたって必要となる手続きを進めたりします。

 院内の案内板などについても多言語で表示しています。また、手術の説明書や同意書など、各種の書類に関してもさまざまな言語のものを用意しています。ICTを活用した通訳ツールも導入しており、希望があれば入院中のハラール食にも対応します。

 こうして円滑な受け入れ体制を整備し、今年1月に「JMIP(外国人患者受入れ医療機関認証)」を取得しました。国内の認証病院はまだ45カ所(2018年7月現在)です。認証取得によって、自分たちの取り組みを客観的に分析できるようになったと実感しています。

 国がインバウンド政策を推進し、2020年に東京オリンピック開催を控えている中、訪日外国人の数は増加していくでしょう。それに伴って当院の受診者数も増える。市とも協力しながら、きめ細かな対応に努めたいと思います。

 検討すべき課題としては「医療費の未収」があります。実際、当院を受診する外国人患者さんの場合でも保険に加入しているのは2割程度です。今後、さまざまな観点から対策を講じていくことが必要です。

―全国で4医療機関しかない「特定感染症指定医療機関」の一つです。

 国際空港がある都市の病院ならではの機能です。特定感染症病床2床を含む計7床で、新感染症や一類感染症患者などを受け入れます。感染症科の4人の医師が対応しています。

 指定医療機関としての役割を果たす上で、私たちは感染症患者受け入れ訓練を重視しています。年に2回ほど、空港の検疫部門や保健所とともに、万が一に備えた本格的な合同訓練を実施しています。

 感染症の拡大を食い止めるために、カプセルのような形状のクリーンストレッチャーに患者を寝かせ、空港や院内に設置した専用通路を通って隔離病棟へ運び込みます。

 汚染物などが出たらどのように廃棄するかなど、さまざまな状況に直面することを想定しています。訓練の模様はすべて動画で撮影して記録しています。訓練終了後も一連の流れを入念にチェック。常に万全の準備を整えられるよう努めています。

―診療の強みは。

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 周産期医療に力を入れており、NICUを9床設けています。6月には、当医療圏で初めてとなる「新生児搬送」の体制をスタートしました。産科クリニックなどで出生後、重篤な状態に陥った新生児を当院の医師らが救急車で迎えに行きます。念願だった取り組みで、周産期の専門医、搬送に必要な機材などがそろい、ようやく実現することができました。

 また、血液腫瘍科の造血幹細胞移植は県内トップクラスの実績です。特に小児の血液疾患を得意としており、専門医が7人います。

 千葉県は10万人当たりの医師数が全国的にも少ない。当院が強みや魅力を伸ばすことで、県の医師の確保にも貢献していきたいと考えています。

成田赤十字病院
千葉県成田市飯田町90-1
TEL:0476-22-2311(代表)
http://www.narita.jrc.or.jp/


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