地方独立行政法人 広島市立病院機構 広島市立広島市民病院 荒木 康之 病院長

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目指すのは一つだけ 安全で上質な医療を

【あらき・やすゆき】 1980 岡山大学医学部卒業 同附属病院第1内科入局 2003 広島市立広島市民病院内科・臨床検査主任部長 2008 同副院長 2012 同病院長

 広島県で指定されている11の「がん診療連携拠点病院」の中で、広島市立広島市民病院の院内がん登録件数は最多だ。質の高いがん医療のためにこれから取り組むべきこと、地域に求められる役割などについて、荒木康之病院長に聞いた。

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―がん診療の現状を。

 国立がん研究センターが2017年8月に公表した「がん診療連携拠点病院等院内がん登録全国集計」において、当院のがん登録件数は3019件で全国32位、広島県では1位と、非常に多くの症例を受け入れています。

 部位別では胃がん14位、乳がん15位、肺がん30位。子宮頸がんは毎年30位以内、子宮体がんは50位前後と婦人科領域を強みの一つとしています。

 腫瘍内科医による臨床研究にも積極的に取り組んでおり、先端的な治療法を選択できることや、多くの症例数を経験しているという実績が、患者さんの信頼につながっているのではないかと思っています。

―治療の特徴は。

 2018年度の診療報酬改定で、前立腺がん、腎臓がんに加えて、新たに胃がんや肺がん、子宮体がんなど12の手術に対して「ロボット支援下内視鏡手術」が保険適用となりました。

 「ダビンチ」による繊細で正確な手術により侵襲や出血量を抑え、身体的負担が軽減。入院期間の短縮につながり、より多くの患者さんのクオリティー・オブ・ライフ(QOL)の向上が期待できます。

 当院では診療報酬改定前から、ロボット支援下手術の保険適用の拡大に備えてきました。呼吸器外科や消化器外科の医師が他の医療機関で研修。着々と準備を進めています。ロボット支援下手術の割合は、さらに高まっていくのではないかと予測しています。

 2015年、広島県医師会が運営する高精度放射線治療装置を備えた治療センター「HIPRAC(ハイプラック)」との連携を開始しました。

 できるだけ普段どおりの生活を送りながら、通院で「強度変調放射線治療(IMRT)」や「体幹部定位放射線治療(SBRT)」を受けたいと希望される患者さんにご紹介しています。

 当院では入院支援室による患者サポートに力を入れています。病歴の聴取や術前の説明、歯科診療所と連携した口腔ケア、栄養指導、各種相談などに対応しており、今後はすべての予定入院の患者さんが入院支援室を経由できるよう、体制を整えているところです。

 また、麻酔科医や看護師、栄養士などで構成する「周術期管理チーム」を組織する予定です。栄養、リハビリテーションなど幅広い視点で周術期管理の充実を図っています。

―今後の取り組みは。

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 大切なのは各機関の医療資源や役割に応じた医療連携を進めていくことです。

 2006年、がん診療連携拠点病院に当院が指定されたことをきっかけに「K-net」を発足しました。開業医や勤務医を対象とする「医療者がん研修会」を奇数月に開催。当院のがん診療や治療成績などを共有し、より良い医療連携につなげています。

 8月を除く偶数月は看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーなどのメディカルスタッフ向けに「がんセミナー」を開き、医療現場で実践できる知識やノウハウを紹介しています。どちらの研修会も、参加者は毎回100人を超えています。

 当院では、緩和ケアは「患者さんのQOLを高める手段」として積極的に活用していきたいという考えです。この4月、がん診療委員会の一つだった緩和ケア部会を「緩和ケア委員会」として独立させました。

 がんだけでなく心不全や難治性疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などでも選択肢の一つとして、早期の緩和ケアを推進していく方針です。地域の中核となり、「上質かつ安全ながん医療」の実現に向かってまい進します。

地方独立行政法人 広島市立病院機構 広島市立広島市民病院
広島市中区基町7-33
TEL:082-221-2291(代表)
http://www.city-hosp.naka.hiroshima.jp/


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