熊本大学大学院 生命科学研究部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野 折田 頼尚 教授

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スムーズな医局運営には医師の個性の把握が鍵

【おりた・よりひさ】 1996 岡山大学医学部卒業 同耳鼻咽喉・頭頸部外科入局 2000 米ピッツバーグ大学客員研究員 2005 癌研究会付属有明病院頭頸科レジデント 2010 岡山大学医学部附属病院(現:岡山大学病院)助教 2016 同講師 2017 熊本大学大学院生命科学研究部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野教授

 2017年6月着任。初めに取り組んだことは医局の医師たちの、特性や希望の把握だった。「個人個人に指導をするためには、まず医師たちとのコミュニケーションが重要」だと語る折田頼尚教授に、和やかな雰囲気が特徴だという教室の魅力を聞いた。

―これまでの歩みと就任後の取り組みを教えてください。

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 岡山大学医学部を卒業後、岡山大学病院や国立岡山病院などで研鑽(さん)を積みました。

 頭頸部がんを専門にしたいと考えていましたが、最初に師事した先生に耳の治療を徹底的に教え込まれました。その後の先生には、鼻。結局、卒業して10年間は耳と鼻の診療に専念しました。

 耳鼻咽喉科医として、一般的な疾患を数多く診て、基本の治療技術を身につけられたことで、広い視野を持つことができました。その経験が、頭頸部がんを専門的に診るようになった後も役に立っていると感じています。

 教授着任後、まずは熊本大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科の状況を把握することから始めました。

 病気ごとの担当者や治療方法、他科との連携の有無など、医局の体制面を知ることだけでなく、医局員一人ひとりの個性や考えを理解することに最も重きを置いたのです。

 時間が許す限り教授室を出て、時には医局員と一緒に診察をしたり個人面談をしたりして、コミュニケーションを図りました。研究を好む人や診察に重点を置きたい人などそれぞれに希望があります。彼らの描くビジョンや特性に合わせて、指導方針を立てる必要があると考えました。

 私の専門はがんです。しかし、ここはもともと「音声・嚥下(えんげ)」の研究を中心に進めてきた教室です。教授が変わったことで、医局員は研究の方向性に不安を感じている可能性もありました。

 個々と接する機会を増やすことで、医局員が感じる新しい状況への不安を、少しでも払拭できればとも考えたのです。

―教室の特徴と目標は。

 医局員たちが「チーム」を尊重して動いていることが大きな特徴です。研究に一生懸命取り組みながら、診療にも熱心。ほかの先生の状況を見ながらサポートに回ったり、仕事を分担したりするのもスムーズです。もしかしたら私が着任するまで1年以上、教授不在の状態が続いている中で、自然と協力しあう環境が醸成されたのかもしれませんね。

 鼻や耳、喉の疾患はもちろん、アレルギー、がんまで、専門性が異なるメンバーが多数在籍しているのも、この教室の特徴です。

 非常に幅広く深い知識や技術が得られる耳鼻咽喉科・頭頸部外科で、それぞれの分野が高いレベルに達し、それによって教室全体がパワーアップしていく。そんなイメージを描いています。

―医局員に願うことは。

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 大学病院外での診療も積極的に経験した方がいいと伝えています。大学病院で診る症例は頭頸部がんが多いですが、ぜひ他の分野にも目を向けてほしい。「この患者を治すためには」と考え、学び続けることが本人の成長と、ひいては医学の進歩につながると考えています。

 また、医師である前に「良い社会人」でありたいと思っていますし、医局員にもそうあってほしいと願っています。

 私が思う「良い社会人」とは、他人のことを考え行動できる人のこと。「患者さんのために」に加えて、仲間の医師を大切にすることで医局の雰囲気も良くなり、働きやすくなります。それが高い質の診療や研究を支えるのです。

 この教室には、一緒に働く仲間として最高のメンバーがそろっていると私は思います。ただ、仕事が忙しくなりすぎると、どんな人であっても思いやりの心は薄れてしまうでしょう。誰か一人に仕事が集中して疲弊してしまわないように気を配っています。

熊本大学大学院 生命科学研究部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
熊本市中央区本荘1-1-1
TEL:096-344-2111(代表)
http://kumamoto-ent.com/


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