高知大学医学部附属病院 執印 太郎 病院長

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安心安全、そしてより高度で先進的な医療を

【しゅういん・たろう】 1976 横浜市立大学医学部卒業 1980 川崎市立井田病院泌尿器科医員 1981 米南カリフォルニア大学癌センター研究所留学 1995 高知医科大学医学部(現:高知大学医学部)泌尿器科学講座教授 2018 高知大学医学部附属病院病院長

 開院から37年、地域に密着した大学病院として県内の医療を支えてきた高知大学医学部附属病院。4月1日付けで就任した執印太郎病院長に、病院の取り組みと、これからの大学病院のあり方を聞いた。

-現在の病院の取り組みや特徴を教えてください。

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 高知大学医学部附属病院は、特定機能病院です。つまり高度な医療の提供、研修、開発などを求められているということ。現在、当院ではさまざまな高度医療に挑んでいます。

 大きな取り組みとしてまず挙げたいのが、2017年度開設の「光線医療センター」です。「光線医療技術」を基盤とした日本初の本格的なセンターで、特殊な光源を用いて、これまで見えなかったものを可視化し、診断と治療に活用しています。

 例えば、インドシアニングリーン(ICG)を用いた診断では、ICGを血管やリンパ管に注入し、近赤外線を照射すると血管やリンパ節などを体の表面から見ることができるようになります。5-アミノレブリン酸(5-ALA)を用いた診断や治療では、5-ALAを経口投与して青色の特殊な光を当てると、がん細胞だけが赤色蛍光を発します。脳腫瘍、膀胱がんの治療に活用しているほか、治験段階ではありますが、胃がんの可視化にも成功しています。

 いずれも本院発の先進医療です。さらに進歩、発展させていきたいと考えています。

 「免疫難病センター」も独自の取り組みの一つです。大学病院には原因が特定できなかったり、治療法が確立されていない「難病」の患者さんもいらっしゃいます。その中には、免疫異常が原因となる「免疫難病」も多数あり、これまでは症状が出ている部分によって、さまざまな診療科が治療にあたってきました。

 近年の研究で、免疫難病の根底には共通部分があり、症状が異なっていても同じ薬で対応できるケースも多いことがわかってきました。

 センターでは免疫難病を横断的に診療します。また、病気の原因の追究、新たな治療法の発見や確立などにも取り組み、診断用血液マーカーの研究にも取り組んでいます。研究が進めば、関節リウマチ、ベーチェット病、乾癬(かんせん)、炎症性腸疾患、脊椎関節炎、若年性特発性関節炎などの診断と治療にも大きく役立つことが期待できます。

 ほかにも各分野でたくさんの取り組みがあります。手術支援ロボット「ダビンチ」の活用や、リアルタイムでMRIやCT画像を確認しながら手術ができるハイブリッド手術室(インテリジェント手術室)の稼働、がんに対するペプチド免疫療法の研究開発、子どもの健康と環境に関するエコチル調査などです。

-今後の大学病院に求められることは。

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 一つ目は高度でなおかつ安全安心の医療を提供すること、二つ目は高い技能を持った医師を育て、県内に輩出することでしょう。

 高い技能とは、手術手技などテクニカルな面だけではありません。コミュニケーション能力や幅広い知識など、求められるものは多岐にわたります。

 高知大学医学部には、「家庭医療講座」があり、毎年地域に出向いて、地域医療、家庭医療を体験する「家庭医道場」を開いています。医学部生が1泊2日の日程で、地域医療の現場で医師やメディカルスタッフと交流。基本的な技能や知識を学び、コミュニケーションの大切さを知る良い機会になっています。

 医師の高齢化が進み、特に郡部では医師の確保がさらに難しい時代になります。地域医療を守るために、優れた医師を育成し、今後も地域の医療機関に送り出していきたいと思います。

 診療報酬の改定などにより、大学病院の運営もさらに複雑で工夫が必要な局面に入っていますが、高度医療と地域医療を両輪に、さらに発展していきたいと考えています。

高知大学医学部附属病院
高知県南国市岡豊町小蓮185-1
TEL:088-866-5811(代表)
http://www.kochi-ms.ac.jp/ ~hsptl/


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