今月の1冊 - 79.A Child Is Born 赤ちゃんの誕生

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写真 レナルト・ニルソン
解説 ラーシュ・ハンベルイェル
訳 楠田 聡、小川 正樹
あすなろ書房228頁4500円+税

 人類が初めて月に降り立ったその4年前。スウェーデン生まれの写真家レナルト・ニルソンは、生命誕生という体内の「宇宙」を見事にとらえた記録集を産み落とし、世を驚かせた。

 1965年に初版が刊行され、その後の技術革新に伴って改訂が重ねられてきた写真集「A Child Is Born ―赤ちゃんの誕生―」は、卵子、精子、受精、妊娠、出生の五つのシーンで構成されている。最初の子宮内の撮影は内視鏡を用いており、1957年には胎児の下肢や外性器を写すことに成功した。

 モノクロームの世界が主体だった第1版から第2版では全面的にカラー写真が導入され、当欄で紹介する第5版に至るまでに、写真集が放つ美しさと神秘性は増していった。

 精子がやってくるのを待つ卵子は宇宙空間に浮かぶ惑星のようで、流れ星のごとき姿の精子たちは我先にと卵子を目指す。精子が1センチ進むのに、およそ1000回のしっぽの振動が必要だという。なんて気の遠くなる話!

 卵子の中で男性、女性それぞれの核細胞が接近し、寄り添い、やがて融合して新たな遺伝情報を有した「ヒト」となる。二つの球体がくっついている様子を接写した1枚は、40歳のおっさんが口にするのは憚(はばか)られるのだけど、「運命の出会い」だと強烈に感じさせる。

 妊娠20週目、20センチほどの胎児が、こちらに向かって微笑んでいるように見える写真がある。外界へ旅立つことへの期待や喜びに満ちあふれているのかもしれない。そんな想像をしてみることで、今生きているこの世界が、もっと素晴らしいものに思える気がしている。(瀬川)


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