奈良県看護協会 会長 平 葉子

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 あけましておめでとうございます。

 年の初めにあたり、私の夢をお話ししたいと思います。それは、福祉施設等に入所中の高齢者が救急車を使わなくても安心して医療が受けられる社会の実現です。

 私は高度急性期の大病院で40年以上勤務してきました。「断らない救急」を実施していることから、夜間になると特養等の施設からも高齢者が救急車で運ばれてきます。しかし、心筋梗塞などの一分一秒を争う患者が優先されるため、いつまでも廊下のストレッチャーの上で待っておられる気の毒な姿を見てきました。

 また、人手の少ない救急現場で行われる検査や処置は、移動一つとっても虚弱な高齢者に大きな負担となり、入院が決まるまでにかなり消耗してしまいます。そして、時には本人は望んでおられないと思われる高度な医療処置が行われることもあります。こうして命が救えても、機器の装着や医療処置が必要となった場合は、元の施設には受け入れてもらえません。自宅から遠く離れた受け入れ病院を探して転院して頂くことも多々あります。

 「住み慣れた地域で最後まで安心して暮らす」ことをめざす、地域包括ケアを実現するには、地域の施設と近隣の病院や診療所が深く連携を取り、双方に人手のある昼間の時間帯に、往診などで入院の必要性を判断して、スムーズに入院できる「かかりつけ医体制」が必要です。

 そして、短期間で高齢者が負担のない範囲での検査・治療を受け、また住み慣れた元の施設に戻るというシステムを構築して頂けたら...と願います。

 本来であれば、地域包括ケア病棟がこの役割を果たすのだと思いますが、まだ地域からの入院には十分対応できていないようです。

 施設の職員からは、「昼間は病院が受け入れてくれないので、時間外になってから救急車を利用する方が早い」という声を聴きます。

 でも、反対に中小規模の病院からは、「入院患者が集まらない」という声も聴きます。超高齢社会の到来で、高度急性期医療が必要な患者は減っています。複数の疾患を持ち、病状をなだめつつ暮らしている高齢者の病状が悪化した時に、素早く対応する医療を担当して頂けたらと願っています。看護協会は、「終の棲家」として福祉施設を選ばれた方に、できるだけ安定して過ごして頂くために重症化を防止し、看取りの時期が来たら、穏やかで尊厳ある看取りができるように、施設に勤務する看護職に対する教育を充実していきたいと思っています。


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