進むか アレルギー対策

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疾患対策基本法 成立から3年
均てん化目指し都道府県拠点選定へ

 全人口の約2人に1人が、何らかのアレルギー疾患にり患していると推定される今の日本。2014年のアレルギー疾患対策基本法の成立を受け、対策が加速している。

 今後、各都道府県に拠点病院が置かれ、かかりつけ医との連携も進む。患者に適切な診断・治療・管理が行き届く日がくるのか。医療従事者と医療機関の取り組みに関心が高まる。

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 アレルギー疾患は、喘息(ぜんそく)、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、じんましん、食物アレルギー、アナフィラキシーなど。厚生労働省が2014年に実施した「患者調査」を基にした集計では、いずれも推計患者数で喘息が117万7000人、アレルギー性鼻炎(花粉症含む)が66万3000人、アトピー性皮膚炎は45万6000人。非アレルギー性を含む結膜炎は27万8000人だった。

 適切な診断・治療で支障なく日常生活を送れるが、特に重症・難治性のアレルギー疾患は診断・治療できる専門性の高い医師が多くなく、しかも偏在。アレルギー診療に関わる医師の質の向上と均てん化が課題となっている。

 2017年公表の「アレルギー疾患医療提供体制の在り方について」では、今後、都道府県が主体となって、都道府県拠点病院を選定。医師会、教育関係者、患者などとともに都道府県アレルギー疾患医療連絡協議会を設置し、対策を進めていくとしている。

 かかりつけ医にも、協議会が企画する研修会への参加による最新情報の取得や、重症・難治患者の拠点病院への紹介が求められる。

科学的知見に基づく適切な医療を「楽観できないが期待感ある」

 「適切な診断や治療が受けられず、もがいたり諦めたりしている患者家族は多い。拠点病院が『ここに行けば何とかなる』という存在になってくれれば」

 そう言葉に期待を込めるのは、相談活動などに取り組む患者会「NPO法人アレルギーを考える母の会」(神奈川県)の長岡徹氏。「たまたま受診した医療機関によって、患者や家族のその後の人生が左右されることが起きている」と語る。

 同会は今年5月、他団体と連携して状態が安定しているアレルギー疾患患児の保護者を対象にアンケートを実施。46人から回答を得た。

 それによると、適切な医療に出合うまでの期間で最も長かったのは「14年」、受診した医療機関数の最多は「30カ所」。中央値はそれぞれ「5年」と「5カ所」だった。

 状態安定前の悩みを聞いた質問への答えは「血液検査のたびに除去が広がり食べられるものがなくなっていった/食物アレルギー」「日中の受診時は喘鳴がなく『大丈夫です』と言われていた/喘息」など。適切な治療後は「正しい診断を受けて(かゆみが)改善し、ぐっすり眠るわが子を見て泣いた/アトピー性皮膚炎」「普通の生活ができるようになった/喘息」などの声があった。

 調査は臨床力の差や、受けている治療に疑問や不安を抱えながら、医療機関を転々とする患者の姿を浮き彫りに。長岡氏は「拠点病院が整備されれば終わりだと楽観できる状況ではない」としつつ、「法律という枠組みができ、期待感はある。良い体制ができてほしい」と話した。

■アレルギー対策基本法理念(要旨)

  1. アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に資するため、生活環境の改善を図ること。
  2. アレルギー疾患を有する者が、その居住する地域にかかわらず等しく科学的知見に基づく適切なアレルギー疾患に係る医療を受けることができるようにすること。
  3. 国民が、アレルギー疾患に関し、適切な情報を入手することができるとともに、アレルギー疾患にかかった場合には、その状態及び置かれている環境に応じ、生活の質の維持向上のための支援を受けることができるよう体制の整備がなされること。
  4. アレルギー疾患に関する専門的、学際的又は総合的な研究を推進するとともに、アレルギー疾患の重症化の予防、診断、治療等に係る技術の向上その他の研究等の成果を普及し、活用し、及び発展させること。

■アレルギー疾患医療における連携のイメージ

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