医療法人智仁会 吉原 正博 理事長

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大事なことは責任感・協調性・誠実さ

【よしはら・まさひろ】 佐賀県立佐賀西高校卒業1981 久留米大学医学部卒業 1982 佐賀医科大学(現:佐賀大学医学部)内科学教室入局 1994医学博士取得 1995 医療法人智仁会佐賀リハビリテーション病院院長 2008 同法人理事長

 職員のことを語る時、ポーカーフェースがほころぶ。一人ひとりに目を配り、時には厳しく指導もする。回復期リハビリに特化した佐賀リハビリテーション病院などを擁する医療法人智仁会。吉原正博理事長が語る、法人にとって大事な人材への考え方とは―。

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◎全職員の顔を覚える「誕生日プレゼント」

 職員に求めるのは、病棟などから連絡が来たらすぐに駆けつける「責任感」、多職種のスタッフとコミュニケーションが取れ、チーム医療を円滑に進められる「協調性」、まじめに自己研さんを積む「誠実さ」です。

 新卒採用の面接には、私自身も参加します。確認する一番のポイントは話し方。はっきりとした声で整然と話ができるかどうかを見ています。

 病院ではさまざまな職種がチームとなって患者さんに対応します。「僕は、あれもこれもできる」と言う人より、「できないけれどがんばります」という人を採用したい。学校で優等生だったかどうかよりも、まじめで人に優しく、協調性がある人を求めています。

 当院の常勤職員は約260人。その一人ひとりに誕生日プレゼントを贈っています。全員の顔と名前を覚えたいと思っていますが、これだけの人数がいるとなかなか困難です。そこで、顔を見て直接手渡すことで、個々の職員とのコミュニケーションを図っています。

◎教育がもたらす院内活性化と円滑な採用

 当院では「教える」という仕事も大切にしています。医師は佐賀市医師会立看護専門学校や佐賀広域消防局で講義。院内のリハビリや看護の部門でも実習生を数多く受け入れ、教育しています。

 実習生は多いときには50人ほどに上ります。教育するためには、指導する側の勉強も不可欠。職員の学ぼうという意識も高まり、院内の活性化につながっています。

 当院での実習を経て、ここへの採用を決める学生も多くいます。実習生の中から将来の職員が生まれるという循環もできつつあります。お互いに相手のことが分かっているので、就職後の「こんなはずではなかった」というミスマッチも抑えられる。さまざまな利点があるのです。

 市内の高校で看護職を目指す生徒への「病院奨学金」も長年継続しています。各学年2〜3人、学費などを含め1人当たり年間30万円ほどを支給。卒業後、当院に5年間勤務すると、返済の義務がなくなるシステムです。

◎やる気を促す「人事考課」と「病院機能評価」

 職員のモチベーションを高めるために、もっとも効果的なのは人事考課でしょう。

 私と院長、各部門の部長など計9人でつくるプロジェクト会議で人事考課を担当。各職員の直属の上司とその上の上司の評価をもとに五つのランクに振り分け、ボーナスや昇給、昇進に反映させます。

 4月からは人事異動の内容を院内に張り出しています。努力を怠らず仕事もできる人には責任ある仕事を任せ、それを職員だけでなく患者さんにも公表する。院内掲示は、モチベーションをさらに上げることにつながると考えています。

 5年おきの病院機能評価の受審も、医療の質の維持や向上のため欠かせません。認定に向けた準備によって、医療安全や感染制御、教育研修や人事労務などの幅広く細かい項目を客観的な視点で再点検できる。その意義は大きいと思います。

◎きょうだい、夫婦が働く病院

 職員同士の交流を深める「親睦委員会」があるのもこの病院の特徴でしょう。新人歓迎会、お月見会などの企画運営と病院主催の忘年会のサポートが主な仕事です。

 これらの催しには職員が家族連れで参加します。部署間の垣根が低くなり、職務上の連携もスムーズになるという利点があります。

 実際にデータとして取ってはいませんが、職員の定着率が上がっていると感じています。きょうだいが働いていて「私も」と入職する人や職員同士の結婚が多く、ここ最近は「寿退職」もほとんどいません。

 優秀な人が結婚や育児で辞めていってしまうのは、われわれとしてもつらいですからね。長く働き続けてもらうために、2016年4月に事業所内保育施設も開設しました。

 設計段階から私も関わり、木の温もりが感じられる園舎を造りました。定員20人で、そのうち4分の1が近隣に住むお子さんを預かる「地域枠」です。食育にも力を入れており、園児は現在ほぼ満員。0歳児の枠は、すでにいっぱいです。

◎グループホーム造設、保育施設拡張も

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 当法人には、在宅支援部門があります。病院隣にはサービス付き高齢者向け住宅や訪問看護ステーション、訪問・通所リハビリテーション事業所、グループホームを備えた「夢館」を併設。そのほか、車で10分ほど離れた別の場所にもグループホームがあります。

 当院の6人の常勤医は、学会に参加して最新の医学・医療を学ぶだけでなく、佐賀中部広域連合の介護認定審査会の委員として、介護に対する見識も深めています。

 病院から少し離れた場所にあるグループホームが老朽化したこと、給食などを考えた場合、同じエリア内にあるほうが効率的なことから、このグループホームを病院隣に移転する計画です。認知症の方の増加を見越して、グループホームは今後も増やしていくことになると思います。

 開設して1年半の事業所内保育施設も、拡張する必要があるでしょう。開所を計画している段階で、土地を広く確保しておきました。職員だけでなく地域からの要請もあるので、早めに対応していきたいと考えています。

医療法人智仁会
佐賀市南佐賀1-17-1
TEL:0952-25-0231(代表)
http://www.sagareha.or.jp/


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