福岡県看護協会11月25日(土)第1回合同研修実施
福岡県看護協会(福岡市)が、災害時の周産期医療を支える、九州・沖縄地区の助産師のネットワークづくりに取り組み始めた。同協会によると、災害時を想定した助産師による広域のネットワークは、全国的にもめずらしいという。
11月25日(土)には、初めての合同研修「災害時周産期ネットワーク構築in福岡」を計画。参加者を募集している。
ネットワークづくりが始まったのは2016年秋ごろ。きっかけは同年4月の熊本地震だった。
熊本市内の周産期医療の中核となっていた病院が被災。NICUの重症患児が福岡県などの医療機関に転院する際などに、助産師同士が情報を共有し、連携するシステムがなかった。
今後の災害に備えて、「医師だけでなく、助産師同士の顔の見える関係づくりも必要」という要望が福岡県看護協会に届いた一方で、熊本県内では、地震発生後、現場の助産師や保健師が疲弊していた状況が浮き彫りに。
「業務を手伝ってほしかったが、要望をどこに伝えたらいいのかわからなかった」などの声もあり、被災地にいる助産師の相談や要望を受け入れる窓口やシステムがないことも明らかになった。
新たなネットワークは、大地震などの緊急時、助産師の情報共有や人的連携を迅速に進める狙い。まずは、各県持ち回りで、合同研修を開き、その後、緊急時の対応システムの構築や、相談できる窓口の設置などを目指すという。
1回目の合同研修では、熊本市民病院の吉村圭子副看護部長による熊本地震での被災体験や避難所での取り組みの発表、鹿児島大学病院の鎌賀愛副看護師長からの産婦人科病棟での避難訓練の報告などを予定。
「災害時の助産師、保健師の実情を知ってもらうことから始めたい」(石田麗子・福岡県看護協会助産師職能委員会職能理事)と企画し、九州・沖縄各県の看護協会を通して助産師らに参加を呼び掛けている。
東日本大震災などの被災地での活動経験もある福岡県看護協会の黒岩悦子常任理事は「災害時には、人的ネットワークやそれを管理するマネジメントの力が重要」とし、「研修会を通して助産師同士が人間関係をつくった上で、広域の組織づくりにつなげられれば」と期待している。
「災害時周産期ネットワーク構築in福岡」
日時:11月25日(土)午後1時~同4時(同0時30分開場)
会場:ナースプラザ福岡1階ホール(福岡市東区馬出4-10-1)
基調講演:テーマ「まなざしとプロフェッショナル―周産期災害医療構築に向けて―」
郡山一明氏(一般財団法人救急振興財団救急救命九州研修所教授)
参加費:2000円(学生1000円)
募集人員:200人
申し込み:福岡県看護協会ホームページ(https://fukuoka-kango.or.jp/)の申し込み専用ページから。またはホームページで申込用紙をダウンロードしFAX(092-631-1142)で送信。
締め切り:10月18日(水)