【連載⑥】男にとっても産後は転機!「産後離婚」の危機を乗り越えて

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Logista 株式会社共同代表
長廣 百合子、長廣 遥

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炊事、洗濯、掃除など、子育て期の家事シェアの大切さについてもセミナーでお伝えしています

 「来年の今頃、1人になっているかもしれない...」。ふいに"離婚"のにおいを感じたのは、娘が生まれて10カ月目のことでした。

 高校卒業後に両親が離婚し、自身も一度目の結婚が長く続かなかった経験があるせいか、「このままでは取り返しのつかないことになる」と危機を察知。妻も私も人生初の子育てを前に、この先一層協力しあっていく必要があるにもかかわらず、徐々に妻の私に対する信頼感が薄れていくように感じられたのです。

 ことの始まりは、産後の働き方や暮らし方に対する気持ちのすれ違いにありました。生涯の仕事という意識で、やりがいを持って地方創生の現場でコンサルティングをしていた私と、独立して人材育成の仕事を行っていた妻。結婚前から「いつか一緒に仕事がしたいね」と言い合うほど、仕事が大好きだった2人が"人の親"になった時、新たな命に対する幸福感だけでは言い表せない「家庭と仕事の両立」の難しさに直面したのです。

 最初の1カ月こそ、笑顔で赤ちゃんの世話をしていた妻でしたが、徐々に「3時間置きの授乳とおむつ替えで全然眠れない」「日中子どもと2人きりで過ごすのがプレッシャー」と、育児の大変さを口にするようになっていきました。

 私も、「一家団らんという夢を今度こそ実現したい」という思いがあったため、働き方を変えようと職場への交渉を試みましたが、簡単には受け入れてもらえず。朝6時台には家を出て、夜12時を回って帰宅する生活が続く中、妻のいら立ちを止めることができずにいました。

 「家事・育児は私だけの仕事?あなたにも働き方を変えて家庭にコミットしてほしい」「私も早く外での仕事を再開したい」と、具体的な要求が出てくるようになり、私も「週に2回は午後7時に帰宅して、一緒にやっていくから」と約束。

 しかし、早く帰宅できても仕事のことで頭がいっぱい...心ここにあらずという中で、沐浴(もくよく)やおむつ替え、寝かしつけ、ゴミ捨てなど、家事・育児のほんの一部を片手間でやっている私に、妻の不信感が募っていくのがわかりました。

 「仕事を再開したい」というだけでなく、誰にも邪魔されることなく眠ったり、温かいごはんを食べたり、お風呂にゆっくり入ったり・・・今までにできていた「普通の生活を少しずつでも取り戻したい」という思いに寄り添えず、「この人と一緒に生きていける気がしない」とまで思わせてしまっていたのです。

 今思えば、私自身にも余裕がなかったのだと思います。子どもが生まれて父親になっても、職場での責任ある立場は変わらない。今まで以上の成果が求められる中、家事・育児に対する責任も求められる。まさに板挟み状態という中、仕事でもミスが目立ちはじめ、心身ともに疲弊していきました。

 そうした中で決まった東京出張。車で福岡空港に送ってもらう中、「家庭も仕事も両方大切にしたいのに、できない。頑張っているのに、きつい。でも仕事(収入)を手放すわけにはいかない...」と、妻の前で弱音を吐き出し号泣してしまったのです。

 それを聞いた妻からは「もういいよ」という思いがけない一言が。そして「本当に一家団らんが夢なら、それを実現しよう。家庭を大切にした働き方に変えよう。そのために収入が下がっても構わない。何より子どもが小さい内は2人で半分ずつアクセルを踏んで稼げば良い。私だって働きたいの、知っているでしょう?」という言葉が続きました。

 自分たちが望む生き方に向けて働き方を変えていこう。ふたりだから描ける未来がある。

 飛行機が離陸する頃には、すっかり肩の荷が降り、離職する決心が固まっていました。

 こうした自分たちの経験から、私たち夫婦は今、産後の夫婦のパートナーシップ支援を目的とした「夫婦会議」を広める事業を展開しています。

 産後は「離婚につながる危機」だけでなく、産後うつ、DV、虐待、育児放棄などの「命に関わる危機」に発展することもある時期。

 産後の妻はもちろん、夫もまた、大変さや苦しさ、ネガティブな感情を1人で抱えることなく、夫婦で共有し、理想とする働き方や暮らし方を一緒に目指していけるように。わが子に幸せな家庭環境を創り出していけるように。

 お互いに理解・協力し合うことを諦めず「対話」を続けていくことが、産後の夫婦の危機を乗り越えていく一つの方法になると信じています。【今回のメイン執筆者は長廣遥さん】

夫婦で産後をデザインする『世帯経営ノート』2160円(B5版 約70ページ)

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 子育て期のご夫婦が、夫婦・家族の明るい未来に向けて「夫婦会議」を進める際にお役立ていただける、書き込み式のノートブックです。

 産後も仲良し夫婦でいるために何を話し合えば良いか。幸せな家庭づくりに向けて、何を共有すれば良いか。家事、子育て、仕事、お金、住まい、セックス、余暇時間、美容・健康、祖父母との関係など、テーマごとに設定された質問に夫婦で回答、対話を重ねるうちに、夫婦のパートナーシップが強まり、大切なことを前向きな気持ちで話し合える関係がつくられていきます。

 産婦人科で両親学級を開催する際の補助ツール、出産お祝い品の位置付けでの提供も開始。さらには、子育て期職員に対する福利厚生としての利用も広がっています。ご興味いただけましたら、ぜひ一度お問い合わせください。
(問い合わせ先:Logista株式会社 TEL:092-776-5578)

Logista 株式会社
「より良い社会はより良い家庭から。より良い家庭はより良い夫婦から」という信念のもと、未来を担う子どもたちのために、産後の危機を乗り越え、より良い家庭環境を創り出していける夫婦であふれる社会を目指し、子育て期夫婦のパートナーシップ応援事業として「夫婦会議サービス」を展開。よその夫婦と一緒に夫婦会議を始める「両親学級 世帯経営セミナー」の開催や、ふたりのペースで夫婦会議を始める「夫婦で産後をデザインする 世帯経営ノート」の販売、Webサイト「妊娠期からの夫婦のパートナーシップを応援!産後夫婦ナビ」(https://www.3522navi.com)の運営などを行っている。


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