医療法人恵愛会 中村病院 中村 英助 理事長・院長

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

地域に根差して90年医療、福祉の課題解決へ注力

【なかむら・えいすけ】 大分県立別府鶴見丘高校卒業 1984 福岡大学医学部卒業大分医科大学附属病院(現:大分大学医学部附属病院)整形外科 1985 国立大分病院(現:国立病院機構大分医療センター) 別府整枝園(現:社会福祉法人別府発達医療センター) 1990 医療法人恵愛会中村病院 1998 同院長 2012同理事長

 1927(昭和2)年に開設され、2017年には90周年を迎えた中村病院。別府市の地域医療を支える取り組みについて、中村英助理事長・院長に話を聞いた。

k12-1-1.jpg

◎叔父・中村裕医師の影響で

 この病院は、祖父・中村亀一が開設した医院が始まりです。祖父は、その当時では珍しく、泌尿器科と皮膚科を中心に診療にあたりました。その後、2代目を外科医である私の父、中村信博が継ぎ、3代目を整形外科医の私が務めています。

 父は3 人兄弟の長男で、弟2人も医師となりました。

 叔父は"日本のパラリンピックの父"と呼ばれ、障害者スポーツや、障害者の経済的自立に力を尽くした整形外科医の中村裕(ゆたか)で、大分中村病院や、社会福祉法人「太陽の家」の開設も手掛けました。太陽の家は昨年50周年を迎え、式典には天皇陛下も訪問されました。

 私が幼いころ、叔父は国立別府病院(現:国立病院機構別府医療センター)の整形外科医でしたので、家も近く、ずいぶん可愛がってもらいました。「いずれは整形外科医になるのかな」と思うようになったのも、叔父の影響だったと思います。大学で福岡に移った私に「大分に戻るように」と声をかけてくれたのも叔父でした。

◎別府南部地区の良さ

 医局を経て、当院に戻ったのが30代後半。当時父は60代で、その後約25年間、一緒に仕事をすることができました。

 この病院がある別府の南部地区は、古くから住んでいる人、顔なじみが多く、人と人のつながりが強い地域だと思います。

 若いころは、お年寄りの患者さんに、叱咤(しった)激励されることもありました。病気の時だけの付き合いではなく、日頃から人と人との付き合いを、させてもらっていると思っています。

 大分市内などと比べると昔から医師が不足していましたので、医師会の結束も強く、互いに支え合うという雰囲気ができていました。

 九州大学温泉治療学研究所(現:九州大学病院別府病院)の流れをくむ医師が地域に多くいたことも、医師同士のチームワークに好影響を与えていたと思います。

 そして、このような、深い人間関係が、別府市の高齢化への対策にも貢献しています。

◎医療・介護・行政が連携

 南部地区の課題は、高齢化による、地域住民の健康に対する不安です。

 別府市内のなかでも、特に高齢化が進んでいて、住民の40%以上が高齢者。独居老人も増えています。

 当地区では3年前から2、3カ月に一度、医療、介護の関係者が集まって、地域の高齢者を支える体制づくりを一緒に考える「浜脇中学校区医療介護連携会議」をスタートさせました。

 名刺交換会から始め、ケアマネジャーや介護ヘルパー、医師、看護師ら他職種の参加者の顔が見える関係づくりに努めてきました。そして、会の名称を「手を差し伸べ合う」という意味を込めて「南部の手」に変えました。

 また、「南部の手」のステッカーを作り、当院を含めた参加施設に掲示しています。

 現在、医療機関としては約10施設、福祉や介護事業所などは約20施設が入り、参加者は各施設のスタッフ、行政職員、校区の民生委員など100人前後になります。

 会議では高齢者やその家族が、医療、福祉の困りごとなどを気軽に相談できるような窓口が必要だという考えになり、会議に参加している医療機関や福祉事業所がその役割をすることに決めました。

 病院というのは、病気の時以外は、普段なかなか声をかけづらいと思うのですが、南部の手のネットワークの一員であることを示すことで、福祉施設の方や、住民とも一緒になって地域の課題に取り組んでいきます。

◎病院としての新たな取り組み

 これまで、整形外科・泌尿器科・外科の診療が中心でしたが、高齢者の患者さんが増え、合併症も増加。内科的な診療にも力を入れ始めました。

 人工透析のベッドは37床あり、特に力を入れている分野です。感染症の患者さんも、透析治療ができるように、個室の透析室も設けています。

 今年4月には、新たに血液内科を立ち上げ、血液疾患の患者さんに対応できるようにしています。また、消化器内科、消化器外科を充実させようと、5月に、内視鏡センターを設けました。

 7月1日に訪問看護ステーションもスタートする予定です。

 私は、医療は究極のサービス業だと考えています。受診した患者さんやその家族には「この病院に来て良かったな」という気持ちで、家に帰ってもらいたいですね。

 現在は、病床数153床(一般病床81床・地域包括ケア病床25床・医療型療養病床47床)で、内科、外科、整形外科、泌尿器科を中心に二次救急医療施設としての役割を担います。今後も、別府市南部地区の中核病院として、地域医療を支えていければと思います。

◎地域とともに生きる

 今年5月には90周年事業として、「病院祭」を開催。約1000人の来場者がありました。医療講演会やミニ健診、医療体験コーナーなどの医療関連の催しに加え、地元で有名なバンドの演奏などもあり大好評でした。

 1971(昭和46)年に、父は大分県警察から警察嘱託医を委嘱され、検視や、被留置者の診療などに長年携わってきました。12年程前から私が引き継ぎ携わって参りましたが、昨年は、県警から、感謝状をいただき、大変うれしかったですね。

医療法人恵愛会 中村病院
大分県別府市秋葉町8-24
TEL:0977-23-3121
http://www.nakamura-med.or.jp/


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

九州初の地下鉄駅直結タワー|Brillia Tower西新 来場予約受付中

九州医事新報社ブログ

読者アンケートにご協力ください

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

暮らし継がれる家|三井ホーム

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【今月の1冊, 今月の一冊】
イメージ:今月の1冊 - 88. AI vs. 教科書が読めない 子どもたち

Twitter


ページ上部へ戻る