【連載④】夫は産後の妻の最大のパートナー!

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Logista 株式会社
共同代表 長廣 百合子、長廣 遥

 「あの、3時間おきに授乳って夜中も...ですか?」

 出産と癒着胎盤の処置を終えて数時間。目覚めたところに現れた産院のスタッフの方に渡された"入院中のスケジュール"には、授乳を始めとする育児の指導要領がびっしりと書かれていました。

 産後は頭が回らないという話は耳にしていましたが、本当にその通りで、新生児室に行って授乳をする時間、搾乳や調乳、沐浴(もくよく)の手順など、受け取ったスケジュールに書かれていることがすぐに理解できない状況でした。

 ただ一つ分かったことは「赤ちゃんの命に関わる内容が書かれている」ということ。寝不足と貧血で自分の体がフラついていようと、自分よりも赤ちゃんが優先される。入院期間中に赤ちゃんのお世話を一通り体にたたき込まなければ...という一心で産後の生活に突入していったのです。

 退院後は、2カ月近くもの間、実家の母が住み込みで家事全般をサポートしてくれました。その間、数十年ぶりに一人暮らしをすることになった実家の父をはじめ、義母との生活をプラスに捉えて受け入れてくれた夫には感謝しかありません。

 しかし当時の私には、周りに感謝する余裕などありませんでした。わが子を愛おしいと思う一方で、数時間おきに授乳やオムツ交換をしたり、何をしても泣き止まないわが子を抱っこし続けたり、ウンチやミルクの吐き戻しで汚れた産着を洗濯したりと、思うように体を休めることができない毎日に心底うんざりしていました。

 朝から晩まで一緒に過ごす実母のふとした一言が"良き母・良き妻プレッシャー"に感じられ、「居てくれて助かるけど、居て欲しくない!出て行って!」と泣き叫んだこともあります。

 そうして実際に母が一時的に実家へ戻ると、わが子をリビングの床に転がしたまま「何もかも捨てて逃げ出してしまおうか」とベランダに足を向けてみたり、虐待を報じるワイドショーを見ながら「自分も加害者になってしまうかもしれない」と恐ろしく思ったりしたものです。

 わが子を見つめているだけで笑顔になれる日だってたくさんあるんですよね。それなのに、どうしてこんなに追い込まれてしまうのか。振り返って思うのは、当時の私は「夫とのパートナーシップが希薄だった」ということです。

 穏和でユーモアがあり、子どもにも好かれ、一通り家事をこなすスキルもあるなど、結婚当初から〝良い夫〞ではありましたが、その良さを発揮する機会がとにかく少ない。仕事があまりに忙しく、家にほとんどいないため、必然的に実家の母や産院の先生、ママ友などが頼れる存在になっていく。不安や悩みを相談したり、助けを求めたりできる人が周りにいるだけでも恵まれているのかもしれませんが、一番身近な存在であるはずの夫との間でパートナーシップを実感できない日々は、それなりにつらく、苦しいものがありました。

 子どもはみんなで育てるもの。その"みんな"の中心部分に、妻だけでなく夫にもいてほしいと思っていたのです。

 あれから3年。今、私たち夫婦は、家庭はもちろん仕事も一緒に進めていくパートナーとして、子育て支援の会社を共同経営しています。中でも力を入れているのが「両親学級 世帯経営セミナー」の開催。妊娠期から産後にかけての夫婦のパートナーシップづくりに向け、ワークショップやディスカッションを通して、「誰にでも起こりうる産後の危機」を乗り越えるためのヒントを参加ご夫婦それぞれにつかんでいただいています。

 産後の妻が育児の大変な部分を一人で背負い込むことがないように。赤ちゃんが生まれてからの楽しい時間やうれしい時間...そして、「働き方や暮らし方における理想と現実」を夫婦で共有していけるように。産後を、信頼関係を高めるチャンスに変えていけるご夫婦が1組でも増えていくよう、これからも私たち自身が身を持って夫婦のパートナーシップを発揮していきたいと思います。
【今回のメイン執筆者は長廣 百合子さん】

夫婦で産後をデザインする『 世帯経営ノート』2160円(B5版 約70ページ)

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 子育て期のご夫婦が、夫婦・家族の明るい未来に向けて「夫婦会議」を進める際にお役立ていただける、書き込み式のノートブックです。

 産後も仲良し夫婦でいるために何を話し合えば良いか。幸せな家庭づくりに向けて、何を共有する必要があるのか。家事、子育て、仕事、お金、住まい、セックス、余暇時間、美容・健康、祖父母との関係 など...テーマごとに設定された質問に夫婦で回答、対話を重ねるうちに、夫婦のパートナーシップが強まり、大切なことを前向きな気持ちで話し合える関係性がつくられていきます。

 産婦人科の病院やクリニックへは、両親学級を開催する際の補助ツール、出産お祝い品などの位置付けでのご提供も開始しています。患者さまご夫婦・親子の絆を強くする一冊です。ご興味いただけましたらぜひ一度お問い合わせください。

(問い合わせ先:Logista 株式会社 TEL:092-776-5578)

Logista 株式会社
未来を担う子どもたちのために、誰もが子育ての当事者になれる社会づくりに向け、「家庭・職場・地域」の3方向で事業を展開。産前産後の夫婦のパートナーシップ強化を目的とした「両親学級 世帯経営セミナー」の開催や、Webサイト「妊娠期か らの夫婦のパートナーシップを応援!産後夫婦ナビ」(https://www.3522navi.com)の運営などを行っている。


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