社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 三重県済生会 明和病院 松島 聡 院長

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

県下最大規模のリハビリ特化型病院
地域に根差した回復期医療

【まつしま・さとし】 三重県立津高校卒業 1983 三重大学医学部卒業同附属病院研修医 1984 松阪中央総合病院脳神経外科 1990 三重大学大学院医学系研究科博士課程修了 米国アリゾナ大学研究員 1993 三重大学医学部薬理学講座助手 1995 紀南病院脳神経外科医長 1996 三重大学医学部附属病院脳神経外科助手 2000同講師 2005 三重大学大学院医学系研究科脳神経外科学助教授2014 三重県済生会明和病院副院長 2016 同院長

t16-1-1.jpg

◎病院が担う役割

 1998年、国立療養所明星病院の移譲を受け「済生会明和病院」として開院。2014年に新築した現病院は、回復期リハビリテーション病棟180床、一般病棟34床で、回復期リハは三重県内最多の病床数です。「救療済生」の理念の下、患者さんのQOLの向上を目指して質の高いリハビリテーション医療を提供しています。

 敷地内には、当院のほかに重症心身障害児(者)施設や、障害児相談支援・特定相談支援事業所、居宅介護支援センター、特別養護老人ホームがあり、訪問看護や通所・訪問リハビリ、デイサービスにも取り組んでいます。地域に密着したケア・ミックス型病院として、切れ目のない医療を提供することが使命です。

 院長に就任してからの1年は、先代の奥田喜朗・現名誉院長が構築した病院システムの維持と、地域に開かれた病院としての機能充実に力を注いできました。

 当院は伊勢赤十字病院、済生会松阪総合病院、松阪中央総合病院、松阪市民病院など、近隣地区にある急性期病院からの患者さんを受け入れ、元気な状態でご自宅に戻すという役割を担っています。

 役割を果たすためには、周辺の医療機関・医療施設とのつながりを密にすることが重要です。私自身も周辺の病院や施設に出向き、先生方と直接お話をさせていただきながら連携を強めています。

 患者さんの入退院をスムーズにするため、3月からは病棟の看護師長を地域連携室の専任にしました。病床管理がうまくいくようになり、稼働状況も順調です。

 新病院になり、地域の方々に向けた積極的な情報発信にも力を入れるようにもなりました。

 当院は林に囲まれた静かな環境で、広い敷地を有しています。駐車場は車止めがなくフラットな状態で、イベント開催に便利です。毎年、お花見会、夏祭り、健康フェスタなど、地域の方々を招いて、さまざまなイベントを開いています。昨年10月の済生会フェアには約1700人が来場しました。

 当院の職員たちも、自治体が主催するいろいろな行事に積極的に参加するなどして、地域の方々との交流を深めています。

◎人材不足が課題

 病院が新しくなり、職員の数も徐々に増え始めました。リハビリスタッフは現在約100人。若いスタッフたちが頑張ってくれているので、大変活気があります。しかし、若いスタッフが多いため、結婚、出産などで退職する方や、3〜4年働くと別の仕事に転職する方もみられる状況です。何とかスタッフ数を維持していますが、まだまだ十分ではありません。

 近ごろは、周囲に介護施設がたくさんできた影響で、ヘルパーや介護福祉士の確保も難しくなりました。超高齢社会になり、ニーズが高まる一方で、介護福祉専門学校への入学者は減少傾向にあると聞きます。資格取得の条件が厳しくなったことも影響しているのかもしれません。

 そこで、人材を確保するために、当院ではここで経験を積みながら介護福祉士の資格を取得できる仕組みをつくりました。

 医師も不足しています。若手の内科医やリハビリの専門医などにも来てもらいたいのですが、大学からの派遣に頼るのは難しい状況があります。

 看護師は少しずつ増えてきました。結婚してこの地域に来られた方や、子育てが一段落した方が多く、じっくり患者さんと向き合いたい、と言って、急性期病院から当院に移る方もいます。

◎広さを生かしたリハビリ

t16-1-2.jpg

屋外訓練スペース。2階から1階へ続く約150メートルのロングスロープの先には、リハ用の畑もある

 本館の2階にあるリハビリセンターは約1300㎡。一度に50〜60人の患者さんの治療や歩行訓練、理学療法、作業療法をすることができ、言語療法室は12室あります。

 リハビリセンターと外来棟の屋上にある屋外訓練スペースはつながっているので、直接移動することができます。約150mのロングスロープを通っての、長距離の歩行訓練も可能。外の空気に触れながら訓練できると好評です。

 リハビリセンターの中には、自宅退院を想定したリハビリができる「ADL(日常生活動作)ハウス」を設置しました。

 一般的な一軒家をまるごと再現したハウスは、玄関、和室、ダイニングキッチン、トイレ、洗面所、浴室からなり、勝手口や物干し場もあります。

 玄関や勝手口はあえて段差を高くし、実際の生活環境に近い状態で訓練ができるようにしました。この規模のADLハウスは、全国的にも珍しく、各地から視察に来られています。

◎幸せ度ナンバー1の病院

 院長として最初に職員たちに伝えたのは、この病院を「幸せ度ナンバー1の病院にする」ということ。この言葉には、職員たち自身にも幸せになってほしいという意味を込めました。

 患者さんを幸せにすることは、われわれ医療者にとって当たり前のことです。しかし、まずは職員が幸せでなければ、患者さんやご家族を幸せにすることはできません。

 ワーク・ライフ・バランスのとれた生活をしながら、各自が幸せを感じられるような仕事をしてほしいと思います。

社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 三重県済生会 明和病院
三重県多気郡明和町上野435
TEL:0596-52-0131(代表)
http://www.meiwa-saiseikai.jp/


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

九州初の地下鉄駅直結タワー|Brillia Tower西新 来場予約受付中

九州医事新報社ブログ

読者アンケートにご協力ください

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

暮らし継がれる家|三井ホーム

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【今月の1冊, 今月の一冊】
イメージ:今月の1冊 - 88. AI vs. 教科書が読めない 子どもたち

Twitter


ページ上部へ戻る