神戸赤十字病院 田原 真也 院長

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地域に根差した病院を目指して

【たはら・しんや】 大阪府立今宮高校卒業 1975 大阪大学医学部卒業 1979同大学院医学研究科(微生物病研究所腫瘍ウイルス学)修了 大阪大学医学部附属病院特殊救急部医員 1997 神戸大学医学部形成外科学教授 2012神戸赤十字病院形成外科・創傷治療センター長 2016 同院長

 1995年の阪神・淡路大震災後、神戸市東部の新都心として再開発された地区「HAT(ハット)神戸」。同地区で、2003年に開設した神戸赤十字病院は、急性期医療を担う病院として地域に根付いている。2016年4月に就任した田原真也院長に話を聞いた。

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―概要を教えてください。

 HAT神戸は、「HappyActive Town」の略で、震災後、神戸市の復興をテーマに再開発された街です。世界保健機関(WHO)本部が運営するWHO健康開発総合研究センターや、「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」などの震災関連施設もあります。

 当院はHAT神戸の医療分野の施設として開設。もともとは、兵庫県庁の近くにあった須磨赤十字病院と旧神戸赤十字病院の二つが一緒になったものです。

 2007年には、神戸市内初の地域医療支援病院指定を受けるなど、地域になくてはならない病院として運営されています。

 守殿(かみどの)貞夫元院長は「地域に選ばれる病院」「職員が働いてよかったと思える病院」の二つを当院のミッションとして掲げました。私も、その目標を忠実に受け継いでいきたいと考えています。

 2016年4月から12月までの紹介率は、約70%。また、当院から地域の開業医の先生に患者さんをお願いした逆紹介率は約96%でした。急性期病院として、地域と連携した医療ができているのではないかと思っています。

 また、当院の隣には兵庫県災害医療センターがあるのも大きな特徴です。当院は、兵庫県から災害医療センターの経営を委任されており、二つの病院は車の両輪のようなもの。実際、現場では、医師やスタッフが2施設を行き来しながら、対応しています。

―兵庫県災害医療センターとの役割分担は。

 兵庫県災害医療センターが、高度救命救急センターの役割、そして当院が二次救急と一般急性期を扱います。

 一般的な救急病院では、症状が軽くなれば、転院する必要があり、担当医が変わります。しかし、兵庫県災害医療センターに運ばれた患者さんは、その後、必要があれば神戸赤十字病院に移るため、同じ担当者がずっと診ることができます。これは、患者さんにとってもメリットがあることです。

 切れ目のない医療を経験できるとあって、それを望んで研修医として来てくれる医師や看護師も大勢います。

 また、当院と同センターは2院で「基幹災害医療センター」の指定も受けています。大災害が近辺で起きた場合は、この二つの病院が拠点となります。

―診療面での特徴は。

 外科系の診療が強みで、2016年の4月から12月までに、2350例の手術をしました。外傷から、心臓血管外科手術、がんの手術まで幅広く行っています。内科系としては心臓カテーテル389例、消化管内視鏡手術4754例の実績があります。

 私自身、現在も臨床に取り組んでいます。神戸大学では形成外科教授を長く務め、再建外科と呼ばれる領域を専門としてきました。なかでも、がん手術からの再建が一番多く、特に頭頸(けい)部がんによる、顔の周辺の修復を得意としています。

 再建外科は、命に直接関わる領域ではないのですが、術後の患者さんが、より良く社会復帰ができるように手助けをします。QOLの外科と言われることもあります。

 そのやりがいは、患者さんと同じ目線で結果を見ることができるということだと思います。傷跡をきれいに治しても、患者さんに「どこがきれいになったのですか」と言われたら治療はうまくいかなかったようなもの。厳しい面もありますが大変やりがいもあります。

 当院では、乳がん手術後の乳房再建術を扱うことが多いです。これまで、乳腺専門医がいなかったので、乳がんは他の病院にお願いしていたのですが、今年1月に乳腺外科を開設。神戸大学医学部前准教授の田中裕子先生を中心に診療しています。

―力を入れていることは。

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 スタッフが意欲を持ち続けながら働き続けられるように、現場の意見を大事にしています。何か問題が起きているとすれば、現場で携わっている人が本気で解決しようとしなければなりません。上が、何もわからず指示ばかり与えても、あまり意味はありません。

 特に委員会組織の活用が要だと思います。委員会は、同じ場所で、同じ時間にスタッフが一堂に会するチャンスです。私もなるべく委員会に出るようにしています。

 若い先生方がどのような考えを持っているかを聞く良い機会でもあります。委員会を通して、人が横に縦に結ばれることで、初めて組織になるのだと思います。

 国の方針で、病院は機能別に分かれ、急性期を減らして慢性期、回復期を増やす方向に進んでいきます。そのようななか、当院は、急性期病院として、生き残りをかけて治療にあたらなければなりません。職員がやる気を失わずに頑張っていけるような体制を整備するのが私の役目です。

日本赤十字社 神戸赤十字病院
神戸市中央区脇浜海岸通1-3-1
TEL:078-231-6006(代表)
http://www.kobe.jrc.or.jp


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