謹賀新年。
新年にあたり、ごあいさつを申し上げます。
昨年4月から学長に就任しましたので、10カ月目を迎えることになります。昨年は、重要な2、3の懸案事項の対応を優先しましたが、おかげさまで関係各位のご尽力もあり、いずれも無事終結することができました。今年は、本来の使命である持続的な競争力のある新たな浜松医大の創造に向け、前進したいと思っています。
教育に関しては、国際感覚のある良き医療人を育成することを目標として掲げましたが、昨今問題となっている医療倫理教育では、成熟した常識力の涵養(かんよう)に重点をおき、大学幹部自らが「辻説法」を行っていきたいと思っています。
また、学生の海外研修とともに、海外からの大学院生を新たに創設した奨学金制度により増やし、医学生の実効性のある英語力の習得も具体化していきます。さらにアドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシーによる三位一体の医学教育のために、教育評価の可視化とInstitutional Researchを進めたいと思っています。
そして、新たな専門医制度に向け昨年新設された卒後教育センターや女性医師支援センターを拡充、強化し、在籍する専門医、専門・認定看護師を増やし、地域医療において中心的な役割を担う体制を強化します。
研究面では、昨年光尖端医学教育研究センターが開設されましたが、ワンストップ拠点として光医学の教育と研究を深化させます。また、国際マスイメージングセンター、ナノスーツ研究部を中心として、学内各講座の連携による新たな研究分野を開拓し、競争的資金の獲得と実効性のある知財の活用を目指します。加えて、本学の「強み」であり、昨年も諸官庁などからの視察が相次ぎましたが、地域特性を生かした産学連携の事業化を目指して深化、拡大したいと思っています。
昨年末、地域科学技術実証拠点整備事業の一環として、新たな産学連携の拠点形成が承認され、新棟が2017年度中に竣工します。新棟を文字通りランドマークとし、本邦における産学連携事業のモデルを目指したいと思っています。
診療においては、医療安全を第一とする方針を堅持し、患者さんの意思を尊重した高度で安全な医療を提供したいと思っています。また、浜松地区にある拠点病院と臨床研究や人事交流などの連携を強化し、共に成長できる新たな病院群の構築を目指します。
いずれにしても、ガバナンスの基本方針である融和と協調を基本とし、自由で闊達(かったつ)な議論を行いながら目指す方向性を共有することで、チーム浜松医大として健康長寿社会の実現に貢献して参りたいと考えています。皆さまのご理解とご支援をお願い致します。