新年あけましておめでとうございます。皆さまには、つつがなく新年をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。旧年中にはひとかたならぬご厚情を賜りまして、誠にありがとうございました。
昨年は、国内外の注目が広島に集まりました。5月にバラク・オバマ氏が米国大統領として初めて広島を訪問し、「私の国のように核を保有する国々は、勇気を持って恐怖の論理から逃れ、核兵器なき世界を追求しなければならない」と述べられました。核兵器廃絶及び世界恒久平和は正に広島の願いであります。
9月には広島東洋カープが25年ぶりにセリーグ優勝を果たし、私も鈴木誠也の"神ってる"ほどの活躍、黒田博樹の男気で勝ち取った勝利とその末にみせた涙に感動しました。
1月20日にドナルド・トランプ氏が米国大統領に就任します。Make America great againで単に保護主義に走るとは考えにくいのですが、安全保障や経済政策においてわが国の確固たるスタンスが問われることは明らかです。
さて、広島大学では、「100年後にも世界で光り輝く大学」を目指し、「平和を希求する国際的教養人を育成する大学」として歩を進めています。
そのためにはまず、研究力、社会との連携、国際協働の強化が必要であり、大学院医歯薬保健学研究院としても、科学研究費等の獲得、論文数・論文被引用数、産学連携等収入・寄附金額、国際共同研究、留学生受け入れ・輩出数の増加を図っているところです。
医療の世界では、標準治療からPersonalized Medicine、さらにPrecision Medicineの時代を迎えようとしています。膨大な臨床症例のゲノム・エピゲノム解析のビッグデータを実地臨床における最適治療選択に落とし込むために、人工知能(Artificial Intelligence:AI) が活用されます。しかし、「患者に寄り添う全人的医療」においては、AIが取って代わることの出来ない人間力・こころが何よりも大切であり、その醸成は研究院の大きな使命であると考えています。
本年が皆さまにとりまして、希望に満ちた素晴らしい年になりますことを祈念し、また、本研究院への絶大なるご支援・ご協力をお願い申し上げまして、年頭のあいさつといたします。