新年明けましておめでとうございます。皆さま良き新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年は熊本地震のために多くの皆さまが御苦労なさいました。被災者の方々はもとより、医療関係者の皆さまをはじめとする、被災者の救出と支援に尽力された方々の御苦労を思うと言葉がありません。一刻も早い復興と正常な日常の回復をお祈りいたします。
また、昨年は大急ぎで準備をしていた専門医制度が一時頓挫(とんざ)いたしました。関係の方々のみならず、初めてのシステムに対して準備を進めていた初期研修医たちの混乱は想像に難くありません。
19番目の専門医として発足の予定であった総合診療専門医もスタートが見送られました。新しい専門医を目標として掲げていた若い医師たちには大変申し訳ないことであったと忸怩(じくじ)たる思いもございます。今年こそは日本病院総合診療医学会などの関係する学会が中心となって、明確な方針を示していければと思っております。
私が病院長を務めます佐賀大学医学部附属病院は、外来患者数は年間20万人を越え、延べ入院患者数も20万人に迫り、手術症例数は年間6300件を超える勢いです。ひとえに医師会の先生方や関連病院の先生方の支えによるものと、心より感謝申し上げます。
当院は現在病院再整備の真只中にあります。幸いにして今年の9月頃には病棟の改修が終了いたします。これで高度救命救急センターやハイブリッド手術室などの高度医療施設と新病棟などの、大学病院らしい高度急性期医療を行うための入院部門は完成することになり、後は外来棟の改修が残るのみです。
オリンピックや地震の影響による建築費高騰のあおりを受け、外来棟改修にかかる費用も当初計画していたものよりもかなり高額にならざるを得ません。しかしながら、佐賀県の医療の最後の砦(とりで)として、県民の健康をしっかりと守り、また医学生や若い医師の教育の場としてふさわしい施設にするためにも、今後ともしっかりと診療してまいります。
本年も引き続き、地域に根ざした大学病院として診療、研究、教育に努めてまいりますので、ご協力と温かいご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。