新年明けましておめでとうございます。九州地区をはじめ、各地で医療の発展にご尽力されている皆さまにおかれては、晴れやかな新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
本学はこれまでの5学部体制から、去る4月に芸術地域デザイン学部を加えた6学部体制に移行し、現在1年目を迎えています。18歳人口の減少が進む中、幸いにも多くの活発で個性的な一期生を迎えることができました。彼らは芸術分野の研鑽に留まらず、地域活性化に資する勉学にも取り組む予定であり、今後の活躍を期待しているところです。
そして今年4月からは、佐賀県有田町に同学部有田セラミック分野の教育・研究の場となる新キャンパスを開設します。県立有田窯業大学校の設備を引き継ぎ、新たな人材育成に必要な環境を整え、地元からの最大限の支援を受けてスタートします。
この芸術分野を本学の強み・特色として活用することで、「芸術的感性豊かな、多様性に富む、グローバルな視野を持つ地(知)の拠点」を目指したいと考えています。そのためには、単に芸術のみを追求するのではなく、本学が有する教員養成、経済、医、理、工、農学といった各分野と影響し合って、私たちが想像もつかないような化学反応が起きることを期待しています。
多様化する社会で活躍できる人材、社会の変容に対応できる人材の育成を目指し、さらに地域における知の拠点として、学生には地域課題を見出し、その解決に取り組む意識を涵養したいと願っています。一方で、人工知能(AI)の進歩は目覚しく、医療においても佐賀大学版PHR(Personal Health Record)であるミルカカードからIoTの活用による次世代医療の構築を目指して自治体や企業、関係機関との調整を行っています。
振り返れば、昨年4月に隣県である熊本県益城町が震度7の大地震に襲われました。本学もDMATをはじめ、被災地からの要請に応じた人的・物的支援を行ってきましたが、いまだ多くの方々が困難な状況にあると伺っています。心からお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興に向け、微力ながら支援を継続したいと考えています。
本学医学部附属病院においても、救急医療の高度化を進め、いつ大災害に見舞われても対処できるよう準備を万全にするとともに、引き続き地域医療への貢献、よき医療人の養成及び高度医療技術の開発研究に取り組んで参ります。
本年もご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。