香川大学 学長 長尾 省吾

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 明けましておめでとうございます。健やかな新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 大学の使命は、これからの我が国を担う若者の教育・人材育成が第一である。脳神経外科の専門医として、一定の領域を深く研究し、また鍛錬してきた者として、人材育成についていろいろと思いを巡らす学長在職の5年間であった。若い学生諸君は、実にバラエティに富んだ能力や得意技を持っているが、果たして彼らのそのような潜在能力を引き出し、育ててこられたか確たる自信はない。

 地域に出てのフィールドワークでは、彼らなりの感性で地域や現代社会の問題点を切り取り、それについて何とか解を見つけようとする。また、海外の連携大学等で、学生がシンポジウムに参加すると、コミュニケーションに四苦八苦しながらも私見を述べることができるようになってくる。

 私は若い時に机に縛り付ける教育だけでは、彼らの魅力を相殺してしまうのではないかと危惧している。自分が育ってきた医学部教育を振り返っても、専門領域では深く詳しくはなったが、いわゆるリベラルアーツの知識は乏しく、人としての深みや魅力は充分ではなかったと言わざるを得ない。

 医療・医学知識が細分化して、修学すべき領域も高度化している中で、一般教養を涵養(かんよう)する時間が著しく短縮され、若者の心に芽生えた能力や可能性の芽を摘んではいないか?1年くらい大学を離れて世界を飛び回ることのできる、感受性の強い時期に世に放つ教育もあってもよいではないか。

 若木の時に多方面に根っこを伸ばし、育っていく基盤をより広い分野に延ばせば、やがてりっぱな大木に育つだろう。自分の留学経験が、40年も経った今でも生活や考え方に多くの影響を与えていることを思っても、その様な自由な修学のチャンスを与えられたらと願っている。

 特に人の生命や健康に関与する医療職として、専門知識以外に幅広い教養を身につけることは、心身共にハンディキャップを持った人たちとの対話に勇気と力を与えてくれるであろう。

 これからの世代は、内向きの心ではとても世界中の若者と太刀打ちできない。

 本年も本学へのご理解とご支援をお願い申し上げますとともに、皆さまにとりまして幸多き年になりますよう祈念いたします。


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