特定医療法人 泰玄会 泰玄会病院 宇佐美 覚 理事長

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温かみのある医療を継承

1995 愛知医科大学卒業 京都大学医学部附属病院 1996 島田市民病院 1999 洛和会音羽病院 2001 京都大学医学部附属病院 第二内科 2002 京都大学大学院医学研究科 2011 京都大学医学部附属病院 助教 2012 泰玄会病院2016 同院理事長

 特定医療法人泰玄会は、1935(昭和10)年に病院を開設、約80年以上の歴史を持つ。2016年に理事長に就任した宇佐美覚理事長に話を聞いた。

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■透析患者のニーズに対応

 当法人は、1973(昭和48)年に医療法人化され、泰玄会病院は、現在133床を擁し、地域に密着した病院として親しまれています。

 一宮市は現在、人口37万人。周辺には、一宮市立市民病院や総合大雄会病院、一宮西病院など、公立病院から民間の総合病院まで幅広く運営されています。

 そのような中、当院は、透析を核にして、一般急性期の診療も行い、泰玄会西病院や泰玄会老人保健施設といった慢性期病院・介護福祉施設も運営しています。

 2013年には、新病棟を建設しました。

 高齢化に伴って増加する患者さんに対応するため、70床を擁する新血液浄化センターや、採光にこだわったリハビリテーションセンター、内視鏡センターなどを開設しました。

 現在、透析患者は、国内で30万人を超えています。特に、近年は、80歳以上の高齢者の場合でも、透析が導入されるケースも少なくなく、高齢の透析患者が増加。今後も、ニーズが広がりそうです。

 血液浄化センターでは電解水透析を行っています。電解水透析とは、水の電気分解によってできるマイナス極側の水(電解水)を利用した透析液を使う透析方法です。

 電解水はアルカリ性で水素を多く含んでおり、活性酸素の消去や抑制をする効果があると言われています。

 維持透析患者は酸化と抗酸化のバランスが崩れた酸化ストレス状態にあり、電解水透析はこれら酸化ストレスや炎症の抑制、血圧の安定化やさまざまな臨床症状の軽減、薬の使用量の低減が期待できる治療との報告があります。

 当センターでは2010年の個人 用2台の導入から始まり、2013年の新センターからは70床全台に導入しています。

 また、心機能低下や敗血症などのショックにより循環動態不安定な患者に対しての持続的血液透析ろ過装置を3台有し、その他、血しょう交換、血球成分除去療法、エンドトキシン吸着療法など必要な血液浄化は可能な限り対応しています。

 一方、核家族や、外で働く女性が増えており、家族が面倒を見ることができない患者さんも増えています。

 これに対応し、当院では、透析患者さんをご自宅に送り迎えをするサービスをしています。現在は、慢性期の維持透析を受けている患者さんの数は、当グループ内の泰玄会西病院と当院の2病院で210人になりました。

 泰玄会西病院では、個室で透析ができるようなシステムも取り入れ、患者さんのニーズに対応しています。

■地域包括ケアへの 取り組み

 今後、当院の役割をどう見極め、他の病院とすみ分けをしていくのかが課題だと考えています。

 まず、7月には、一般急性期病床30床を地域包括ケア病棟に転換しました。これにより当院もしくは、他院からの急性期疾患を終えた患者、または慢性期患者の受け入れを充実させました。

 また、関連施設の「泰玄会老人保健施設」と「介護老人保健施設みなみ」の2老健施設のうち、みなみについては、在宅復帰支援型老人保健施設に移行し、在宅強化型を目指しています。在宅強化型の要件はいくつかありますが、利用者さんにとっても、在宅復帰のためのより良いサービスを受けられると思われます。

 泰玄会訪問看護ステーションについても、人員を増やしたいと考えています。地域の開業医の先生方と連携しながら、国の方針に沿って、地域の高齢者が安心して在宅で過ごせるように注力。在宅医療で入院が必要となった患者をいつでも引き受ける体制を整えます。

■泰玄会グループの 長所を生かして

 当院の良さは、大病院にはまねできないような温かみのある対応ができていることでしょう。

 患者さんにとっては、敷居の低い外来のようで、気軽に相談してもらえる病院になっているようです。特に、医者には遠慮して、言いたいことも言えなくとも、看護師などには気さくに話しかけているようです。

 大病院と違って温かい雰囲気が持ち味です。前理事長(現会長)が長年、そういう教育をしてきたのだと思います。私も、それを継承して、職員の優しさを大事にしながら、なおかつ診療を充実させたいと考えています。

 しかし、民間病院の経営はどこもそうでしょうが、大変難しいもの。日々、模索しながらやっているところです。

 毎月1回は、朝礼で上層部の考え方は必ず伝えるようにしています。職員に方針を理解してもらうことは一番重要だと考えました。

■一般的な診療と 専門性

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 一般的な頻度の高い疾患は断らず、専門性も高めるのが、今後の方針です。まず、特に力を入れたいのはリハビリテーションです。リハビリテーションセンターも新しくし、患者さんの退院後の生活を見据えたリハビリに力を入れます。

 さらに、出身医局である京都大学とのつながりを大事にしながら、医師を確保したいと思います。

 現在、当院の常勤医師は9人。非常勤医師も多数勤務していますが、それぞれ専門性の質の高い診療を行っています。

 また、外来では日曜日が休診日で、土曜日・祝日も通常診療しています。一般診療・専門外来はもちろんのこと、増加する糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病の予防と治療にも力を入れていきたいと考えています。

 小回りもききますので、検査を迅速にやれるのも強みではないでしょうか。消化管内視鏡検査・治療、各種エコー検査、心血管撮影装置、64列CTやMRIなど設備は充実しています。

 患者さんにとっては、大病院のように長時間待たずに、すぐ診断・治療に入れるというメリットがあります。

 当法人の理念は「泰」動かざること山の如し、「玄」深きこと海の如し、です。「地元密着型病院・介護施設」として、どこまでもどっしりと構え、どこまでも深く根付き、専門集団として、医療・介護を実践するために職員一丸となって日々努力を重ねて参ります。

特定医療法人 泰玄会泰玄会病院
愛知県一宮市東五城字備前1番地1
TEL:0586-61-2121(代表)
https://www.taigenkai.or.jp/hospital/taigenkai/index.php


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