医療法人みやうち 野村 陽平 理事長

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相談者に寄り添い、これからのことを一緒に考える / 安心感を与えるグループであり続ける決意

広島県立広島井口高校卒業 2000 川崎医科大学卒業 川崎医科大学附属病院心療科、川崎医科大学精神科学教室入局 2003 八幡厚生病院精神科 2005 川崎医科大学附属病院心療科臨床助教 2008 医療法人みやうち廿日市野村病院副院長 2012 医療法人みやうち理事長、三滝参道クリニック院長

 広島県の西部、廿日市市を中心に医療、福祉、介護事業を展開する医療法人みやうち。1990年の開設以来、地域住民のニーズに応え続け、現在では450人の職員が在籍する一大グループにまで成長した。

 法人は公益事業として、全国でも珍しい現代アートを主とする常設ギャラリーを設置しており、地域の文化・芸術活動を守る活動にも積極的だ(関連記事はこちら)。

 現理事長の野村陽平氏は、父親の跡を継いで2012年に2代目理事長に就任した。「組織が大きくなっても職員と利用者の距離が近いグループであり続けたい」と話す。

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◎1990年に100床の廿日市野村病院を開設以来、26年が経ちました。

 創業者で初代理事長である父は、当初はここまで高齢者の施設を拡大する予定はなかったと思います。

 療養型の病院として開設したものの、そのなかで退院が難しい方がたくさんいらっしゃったために介護保険の施設をたてた。あるいは在宅医療のニーズが高いため、通所サービスも拡充してきた。地域全体を見守っていくなかで、必要なものを徐々に増やしてきました。

 周辺の中山間地域では高齢化率が50%近い町もありますし、老老介護や核家族など多様なニーズに合った形で機能を高めていく方針は今後も変わりません。

 廿日市市は広島市のベッドタウンですが、島しょ部も含みますし、島根県や山口県の県境に位置します。山口県の東部は施設が少ないため、今後はそういった地域をカバーすることも増えてくるでしょう。

◎入所系、あるいは通所系のサービスの需要が高いなかで、利用者それぞれにあったプログラム作りを目指している。

 目標であって、私たちの課題でもあるのですが、「オーダーメード」の通所・入所プログラムを開発したいと考えています。

 どの施設も、そこでしかできない特色を持った取り組みをすべきで、みんなでレクリエーションや運動したりするだけではなく、「学ぶ」「作り出す」といった多様なプログラムを提供したいと考えています。

 いまの高齢者の方々は非常にお元気です。「2025年問題」でいえば、さらにバブルな時代を経験されたような方もそろそろサービスを利用される時代になりますので、より個別的なサービスの需要が高まるでしょう。

◎高齢者にとって最大のストレスとは。

 最大のストレスは身近な方、良く知った方が亡くなることや病気で会えなくなることでしょう。人と人との関わりが薄くなっていくことはまさに、生きている実感が薄くなることなのだと感じます。

 人のつながり、いわゆる絆(きずな)を大事にすることは、法人の大きな方針でもあります。

 病院を受診するだけではなく、世間話をして職員と話すことが元気の源になっていることもあります。職員が明るく、笑顔の多い施設、患者さんとの距離が近い施設をつくるということを職員に常に意識してほしいですね。当院は神経難病など難病指定されている方を受け入れる特殊疾患病棟を持っています。

 ここに入院している方はなかなか退院することができず、あるいは施設での受け入れも難しいために長期入院している方がいらっしゃいます。その方たちにもレクリエーションを楽しんでもらったり、季節の行事、誕生会を大事にして笑顔になっていただく。

 これもひとつの社会のつながりなんです。少しでも、元気を与えて笑顔になっていただく、これが最大の使命ですね。

◎廿日市市の委託事業として認知症初期集中支援チームをスタートさせました。

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 10月から始める予定ですが、このチームが支援の対象とするのは、認知症でまだ医療につながっていない方々です。具体的にはご家族が家で世話をしているものの、本人が拒否して受診につながらないような方ですね。こういったケースについて、どうしたらよいかわからない、という相談はけっこうあるんです。

 認知症で受診するという「文化」がまだ根付いていないため、まずは電話で相談を受けて、廿日市市の地域包括支援センターといっしょに事業を行います。

 私たちが訪問して、どういったニーズが必要なのか、どこに、誰につなげるべきかを助言したり、あるいは受診しやすくするためにどうするのかを一緒に考えます。行政の方も参加していただけますし、そういった訪問事業で関係性を作ることで、本人が「じゃあ病院に行ってみようか」となってくれるのが一番良いでしょう。

 本人が必要性を感じていなかったり、病識がとぼしい場合は訪問診療も検討できます。ご本人も困っているでしょうが、必死に世話しているご家族を少しでもサポートできればと思います。

 スタッフは医師が私ひとりで看護師が2人、社会福祉士が1人の4人が主体となって動く予定です。状況によっては人数を増やすかもしれません。広島市でもまだ始めていない事業ですが、隣接する大竹市は認知症疾患センターがあります。これから全国的に増えていく事業だと思います。

◎地域医療構想では機能分化、特化で社会変動に備える構想がある。

 これだけ多様性のある在宅入院施設群なので、なんとかやっていけるとは思っていますが、楽観視はできません。いかに住民や行政にしっかりアピールして、ニーズを拾い上げるか。講演などの依頼は断らないようにしていますし、地域の方が気軽に相談できるような体制をとれば、時代に応じて変化していけるのではないかと思います。

 今後必要なのは、変化する力、アメーバのように時代に対応する力です。人材を確保する質を維持するのも難しい時代になりました。広島県でも外国人のスタッフを採用している施設もあります。人材の確保や育成を視野に入れながら事業を展開しますが、まずは「どう変化すべきなのか」を職員のみなさんといっしょに話し合い、考えていきたいと思います。

医療法人みやうち
広島県廿日市市宮内字佐原田4209番地の2
TEL:0829-38-2111(代表)
http://www.miyauchi.or.jp


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