図書館とがん診療連携拠点病院の連携進む
福岡県立図書館(福岡市)と国立病院機構九州がんセンター(同)は9月23日、初めての医療情報セミナー「がんの不安を安心に」を同図書館で開いた。
九州がんセンターがん相談支援センターの竹山由子・相談支援係長が、がん治療の基本や信頼に足るウェブサイト、相談支援センターの役割などを紹介。同センターのメディカルソーシャルワーカー、高見明子さんは保険や高額療養費制度について、収入・年齢別に詳しく説明した。
会場からは「精密検査を受けるように言われて不安。がん相談支援センターに行ってもいいのか」「病院を紹介してもらえるのか」などの質問が。竹山係長は、「電話でも構わないし、匿名でもいい。相談を」「自宅からの通いやすさなど、さまざまな方面から一緒に考えることができる」などと答えていた。
同セミナーは、病気や治療法を調べるために図書館を訪れる人が多い中、「本だけでなく専門家の話をプラスして、より正確で分かりやすい情報を」と考える図書館側と、さまざまな人が訪れる図書館を通じてがん相談支援センターを幅広くPRしたい九州がんセンターの思いが重なり実現。
福岡県立図書館の担当者、吹上恵美さんは、「来館者の医療への関心は高い。セミナーは試行段階だが、今後も続けていく方向。本を選ぶ際にも助言いただくことも検討したい」と語り、竹山さんは「このセミナーがシリーズ化され、福岡ブロックのがん診療連携拠点病院がみんなで担当できるようになれば」と願っていた。
公的図書館と医療機関の連携は全国各地で進み、九州では長崎市立図書館の活動が知られている。