眼科専門病院 医療法人明世社 白井病院 院長 宇野敏彦 / 理事長 白井義人

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わかりやすく、患者さんが納得できる医療を目指す
130年を超えて、地域とともに

しらい・よしと=香川県立高瀬高校卒業 1989日本大学法学部卒業 民間企業勤務を経て、2012 年に白井病院3代目理事長に就任

うの・としひこ=福井県立藤島高校卒業 1988 大阪大学医学部卒業 大阪大学医学部付属病院 眼科研修 以降、(財)住友病院眼科、ハーバード大学眼科(米国)、松山赤十字病院眼科部長、愛媛大学医学部眼科准教授などを歴任

 1887(明治20)年2月、四国に小さな医院が誕生した。当時の総理大臣は伊藤博文、同じ年の5月には、救護団体「博愛社」が日本赤十字社と改称され、赤十字国際委員会から承認されている。

 現・香川県三豊市(香川県が現在の形になったのは1888年)に開業した医院は1922年に白井病院として許可を受けた。以来、同地で主に眼科医療を提供してきた白井病院は来年、130周年を迎える。

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― 非常に長い歴史を持つ病院です。

白井義人・理事長(以下、白井)=
じつは、先々代理事長である他界した父からはあまり歴史的なことは聞いておらず、たまにご近所の方や親戚関係から言われて意識する程度なんです。家にある過去帳や香川県医師会が作った歴史資料などを見ると「白井」の名前が出てきて、歴史を感じることはありますね。

 1700年代に白井義明が初めて医師になって以降、白井家は医家となり、江戸時代には白井家の人間が3人、長崎の出島に留学して蘭学を学びました。

 曽祖父の代から眼科を中心に標榜していました。医療圏の人口は約15万人で、ここ数年は眼科の専門病院化しているので、丸亀や善通寺などからの患者さんも少しずつ増えています。

― 「地域の病院」から「選ばれる病院」へと進化しています。

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宇野敏彦・院長(以下、宇野)=
眼科医療はここ10年でがらりと変わりました。眼科領域の医療機器は発展が目覚ましく、当院も最新の機器を導入しています。検査結果をなるべく画像として提示できる環境を整備しており、患者さんに検査結果を納得していただきながら治療を進めることができています。

 私が2013年に赴任して以降、幸いにも専門分野を持った眼科医師が連続して赴任しました。これによって専門医療を拡充することができ、結果的に基幹病院レベルの医療を地域の方に提供できていると思います。

 これまで通り、地元の方のかかりつけ医という役割は持ち続けながらも、専門的な治療については、かなり広い範囲から紹介をいただいています。私は目の表面、角膜などが専門領域ですし、副院長の馬場哲也医師が緑内障、あとは山地英孝医師と水川憲一医師が網膜の専門的医療を提供しています。

 紹介が増えているのは、各ドクターの専門についてかなり高い評価をいただいているということだと思います。

― 地域密着型病院の運営で大切なものは。

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江戸時代に阿波藩から白井家へ出された往来手形、「白井泰仲往来手形」。長崎への歴術修業のために出された

白井=
職員はパートなども含めると60人ほど在籍していますが、まずは女性が働きやすい環境を整備することを意識しています。

 女性職員が多いということもありますが、彼女たちは職場を離れると「お母さん」であることが多いんですね。これは地方独特の事情でしょうが、大家族が多くて家庭の中心にいるのは彼女たちなので、家で何か問題が起こると仕事は後回しにせざるをえません。

 子どもが熱を出した、親が病気、介護休暇が必要など、地方の病院ではそういった事情を経営者側が進んで理解する必要があります。こんな小さな病院にもかかわらず、職員の10%が出産や介護で休んでいた時期もありました。

 院内託児所もありますし、介護休暇も取らせます。本人の病気で長期間休む方もいますが、復帰できるような環境を整備し、さらにその間に働いている方がストレスにならないようにするには、結局、人数を増やすしかないのだと思います。

 そういった環境整備を進めていくうちに、人員数は同規模病院と比べると約1.5倍にまでなりました。

 患者さんのための環境と職員の働く環境を快適なものにするためになにが必要なのか、私が積極的に現場に出ることで、足りない部分を敏感に感じ取ることができます。

― 130年を超えて、目指す医療は。

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宇野=
私の持論ですが、医療とは、たとえ治すことができなくても「ここまでやってもらった」という満足感を患者さんに与えることがゴールだと思うのです。もちろん、治すための最大限の努力はしていますが、誰も神の手を持たない以上、患者さんの満足感を追求し続けるという観点を持つことが大切です。

 そのためには、患者さんにわかりやすく説明できる医療が必要です。医療機器を充実させ、医療の質を向上させて、患者さんに納得していただける医療を続けていくこと。白井病院の次の100年はそれを目標にしたいと思います。

医療法人明世社 白井病院
香川県三豊市高瀬町上高瀬1339番
TEL:0875-72-3131(代表)
http://www.shirai-hosp.or.jp/

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