九州がんセンター(福岡市南区)主催の「第6回親と子の『がんと遺伝子』夏の講習会」がこのほど、同センターで開かれた。小中学生と保護者16人が参加し、2日間の日程で「体内で何が起きて、がんになるのか」に迫った。
「言葉は簡単にしているが、内容は医学部大学院初年度の講義レベル」という同講習会。参加者は顕微鏡で培養した大腸がんの細胞3種類と正常な細胞1種類を観察。DNAを抽出して塩基配列を解析し、がん細胞ではDNAの塩基配列が一部変化していることも確認した。小学5年女児(10)は「DNAが目で見えるとは思わなかった。感動した」と話した。
この日のための細胞の培養や試薬の用意などには1カ月以上かかるが、同センターの織田信弥・臨床研究センター腫瘍遺伝学研究室長は「子どもたちは本物が好き。これからも妥協や手抜きをせず、続けていきたい」。ともに準備を重ねてきたスタッフたちをねぎらった。