香川県厚生農業協同組合連合会屋島総合病院700m西に新築移転
1948(昭和23)年8月、当地に開院した屋島総合病院は、今年11月にここから約700m西に移転し、新しい屋島総合病院としてスタートします。
新病院は、これまでの機能を継承することはもちろん、 より地域の皆さまに貢献できるよう新たな機能を付加します。
その一つに、脳血管疾患や大腿骨頸部骨折などに対して集中的なリハビリテーションを行う「回復期リハビリテーション病棟」(2017年1月申請予定)があります。
この病棟は、急性期を脱したもののまだ医学的サポートが必要な場合に、特にリハビリテーションの専門スタッフがチームとなってリハビリを実施し、心身ともに回復した状態で自宅や社会へ復帰していただくことが目的です。
また2017年7月には、医療と介護の懸け橋となる「地域包括ケア病棟」の申請を計画しています。この病棟は、「急性期を脱した患者さんの受け入れを行う」という点では先の回復期リハビリテーション病棟と同様ですが、回復期リハビリテーション病棟にはない、在宅で患者さんが急変された時の受け入れ機能があります。スタッフも在宅復帰を一番の目的として、リハビリテーションスタッフはもちろん、医療ソーシャルワーカーや管理栄養士、歯科衛生士などが関わります。この2つの病棟を併せ持つことで、より幅広く地域の皆さまのサポートができるようになります。
併せて、救急受け入れに対する強化策を検討しています。地元救急隊との連携の強化をはかり、特定の分野に偏ることなく、さまざまな症状でお困りの方をスムーズに受け入れられる体制を構築していきます。これらを通して、「断らない救急医療の提供」を実現しようと、全職員が心を一つにしています。
―手術室のうち2室はバイオクリーンルームです。
1室がクラス1000、もう1つの手術室はクラス100です。この数字は、1辺が1mの立方体の中にどれだけちりがあるかを示すものです。一般的なバイオクリーンルームはクラス1000ですが、当院では人工関節や軟骨手術など、特殊な治療を行いますので、クラス100の手術室を導入しました。
―ほかの新たな設備は。
新しく導入する機械として、256列マルチスライスCT、3D撮影が可能なマンモグラフィー、断層撮影のできるX線テレビシステムがあります。また、透析室は5床増やして20床、分娩と回復のためのLDR室も2室備えています。
―安藤院長は整形外科が専門ですね。
2011年に、屋島関節外科センターを院内に開設し、私がスポーツ医学センター担当医として運動選手を担当し、病院長補佐の浅海浩二先生には人工関節センター担当医として、高齢者の膝や股関節についての治療をお願いしています。2013年には四国で初めて、自家培養軟骨手術のできる施設として認定され、さらには厚労省に報告義務のある前十字靭帯再建術は、年におよそ25件で推移しています。これらのことから、香川県での人工関節手術件数は、例年1位か2位の位置にいます。