「九州市民大学開学30周年記念サマースクール集中講義」 245人が聴講
九州市民大学開学30周年を記念したサマースクール集中講義「豊かに生きる、元気に過ごす」が7月28日、アクロス福岡(福岡市)で開かれ、福岡の医学界をけん引してきた三人が身体的、精神的に「元気」に生きるためのヒントを提示。当初想定を大きく上回る245人の聴衆が訪れ、熱心に耳を傾けた。
外科医として活躍し、今は看護学校長も務める朔元則・九州医療センター名誉院長は、「豊かに生き、豊かに逝く」と題して講演。平均余命(65歳男性19・4 6 年、同女性24・31年=2015年)を示した上で、「残された人生と死を直視することなくして人間の生はありえないのではないか」と提起した。
例として、日本画家の三橋節子を紹介。がんのため、34歳で利き手の右腕を切断しながらも、幼い子ども2人を残して亡くなるまでの2年弱、左手で絵を描き公募展への出品も続けた画家の思いを推し量り、「人間というのはすごいと思いませんか」と来場者に語りかけた。
そのほか、全国的にも有名な疫学調査「久山町研究」に長年携わる清原裕・公益社団法人久山生活習慣病研究所代表理事が同研究で明らかになった脳卒中や認知症の現状と予防方法を説明。アレルギーの権威、西間三馨・福岡病院名誉院長は、アレルギー疾患の増加とその原因、アレルギー専門医が不足している現状などをユーモアを交えて語った。
九州市民大学は1987年発足。芸術、学術、スポーツなどさまざまな分野の第一人者による定期講演会のほか、野外研修、特別講座などを開いている。
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