総合病院 水島協同病院 里見 和彦 病院長

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患者と向き合い、地域と向き合う

1979 岐阜大学医学部卒業 倉敷医療生活協同組合水島協同病院勤務1984 同呼吸器科医長 1986 倉敷医療生活協同組合玉島協同病院勤務 1987 大阪府立羽曳野病院呼吸器科研修 平福診療所勤務 1988 水島協同病院勤務 1995 水島協同病院内科診療部長 2004 同副院長就任 2006 同院長就任

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◆絆を大切に

 医療生活協同組合は、人と人との絆を大切にし、地域住民のネットワークづくりをしています。これからも患者さんと向き合い、地域と向き合う病院であり続けなければなりません。

 現代の日本は、生きにくい世の中だといえます。そのような状況下で子どもたちも現役世代も高齢者も必死で、それぞれの人生を過ごしていらっしゃいます。その人たちを支えて、健康で、明るい町づくりをし、幸福な人生を過ごしていただくお手伝いをするのが私たちの使命です。

◆三つのビジョン

 私たち水島協同病院のビジョンには三つの「生きる」があります。まずは急性期病院としてこれから先も生き残っていかなければなりません。当院は地域の救急医療の要であり、専門医療をこの地で展開し続けていかなければならないのです。

 二つ目は健康づくりへの取り組みです。WHO(世界保健機構)が、1986年にオタワ憲章を宣言し、健康づくりを提唱。それを受けて世界でHPH(ヘルスプロモーションホスピタル)ネットワークが結成されました。当院も昨年、日本HPHネットワークに加盟しています。

 HPHネットワークとは、健康水準の向上と幸福・公平・公正な社会の実現のためのネットワークです。私たち医療生活協同組合は自主的な健康づくりをしている組織ですので、地域の健康づくりに熱心でなければならないとの思いで加盟しました。

 三つ目は地域医療の担い手を育てていくことです。当院は地域基盤型研修病院として、初期研修では臨床研修指定病院に認定されていますし、来年開始予定の新専門医制度における内科、総合診療科の基幹病院施設認定を受ける予定です。医師の育成はもちろん、看護師、薬剤師などのメディカルスタッフも地域医療の担い手として育成できる体制が整っています。

◆スムーズな連携を

 近隣の34の開業医さんの協力をいただき、地域連携マップを作成、外来玄関に掲示しています。また各病院の紹介パンフレットも作り、患者さんが自由に持ち帰りできるようにしています。

 最近、力を入れているのが地域の連携学習会です。介護・福祉施設の職員の方向けの救急講習会などをして連携を強め、スムーズな地域包括ケアを実践していかなければなりません。

 今年度中に患者相談窓口と医療連携室を統合して、地域連携・患者サポートセンターを設立する予定です。患者さんの問題点を早期に把握し、入院前から患者サポートが始められるようになります。また、地域にお返しするときにどういうサポートをすべきかも事前に把握できます。

 急性期から在宅へのスムーズな流れを整備し「患者さんに優しい」という病院コンセプトの確立を目指しています。

◆患者さんを訪問

 当院では「気になる患者さん訪問」という取り組みをしています。様子が気になる患者さん、治療を中断してしまった患者さんの家に職員が訪問します。経済的に苦しく、病院に通院するお金が工面できない人、認知症で通院ができなくなった人など、理由はさまざまですが、それらの患者さんにアドバイスし、サポートする取り組みです。

◆全職員で育てる

 当院は全職員で研修医を育てることをテーマに掲げています。卒後臨床研修評価機構(JCEP)のサーベイヤー(評価調査者)からは「全職員で医師を育てる気風にあふれた病院」だと評価されました。

 毎年3月には、メディカルスタッフと研修医が双方向のエールを交わすポートフォリオ大会を開きます。研修医は1年の研修内容、印象的な体験などについて語り、研修医が選ぶ「ベストコメディカル賞」の受賞式もあります。一緒に働いた人から学んだこと、感謝していることを各研修医が発表するのです。

 職員側からは研修医に対するアンケート調査の集計結果をお渡ししています。サーベイヤーからは「こんなに職員からのエールや意見が研修医に寄せられる病院は今まで見たことがない」とも言われました。

 人を育てられる病院は病院そのものも成長すると思うし、そのエネルギーが病院を育てていくと私は思うのです。

◆チーム医療の確立

 「水島協同病院といえばチーム医療、チーム医療といえば水島協同病院」と言われる病院になることが目標です。

 円滑なチーム医療には優秀な人材が不可欠です。当院では人材育成に力を入れてきたかいがあり、近年のメディカルスタッフの成長は目覚ましいものがあります。その結果、学会発表や、地域の勉強会に呼ばれる機会も多く、院内の講演会の講師を務めてもらうことも増えました。

◆働きやすい職場環境

 職員のワークライフバランスの向上には、かなり早い時期から取り組んでいるつもりです。2005年、「イクメン」という言葉がまだ存在しなかった時代、男性職員でも育児休暇が取得しやすい労働環境が評価され、岡山県労働局長からファミリー・フレンドリー企業表彰を受賞しました。

 職員が働きやすい職場環境の整備を続けてきた結果、離職率が低く、明るく、風通しのよい病院になったと思います。

倉敷医療生活協同組合
総合病院 水島協同病院

岡山県倉敷市水島南春日町1番地1号
☎086・444・3211(代表)
http://www.mizukyo.jp/


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