医療法人順天会 放射線第一病院 木本 眞 理事長

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今治の医療は今治方式でいく〈医療と福祉は縦糸と横糸〉

愛光学園高等部卒業 1978 順天堂大学卒業 岡山大学医学部附属病院放射線科入局 1981 同科文部教官助手 1985 同講師1992 同助教授 1995 放射線第一病院就職 1996 同院長 2008 医療法人順天会理事長■(社)日本医学放射線学会代議員 (社)日本医学放射線学会中国・四国地方会評議員 岡山大学医学部非常勤講師 河北医科大学客員教授 今治市医師会会長

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―市医師会長として今治の医療をどう見ますか

 少子高齢化で、老人中心の医療は全国どこも同じです。しかし国が在宅医療のほうにかじを切ろうとしても、病気の高齢者を収容する施設が不足している大都市の在宅のニーズと、人口の少ない地方とは、ずいぶん事情が違います。

 地方は、場所はあるんです。合併や統廃合で閉鎖された小中学校の校舎に手を入れて、そこを高齢者の施設にすればいい。その気になればいくつも造れるでしょう。

 在宅をどうしようかと漠然と考えるのではなく、そのような具体的な知恵を出す必要があります。今治市には島で暮らしておられる方もいますから、やはり地域に応じた独自の方式が必要となります。これを「今治方式」と私は名づけ、行政に強く働きかけているところです。廃校になった校舎を行政と民間がジョイントして人が住めるように改造すればいい。水も電気もすでにありますから、住むスペースと娯楽やコミュニケーションの場所を作ればいい。広い運動場も多目的に使えますからね。でも、そういったことも医療資源であるという捉え方がまだ弱いのでしょう。縦割りの組織で運営されている医療と福祉に、横の通路をつくればいいんです。横糸を通さなければ、いくら縦糸があっても紡げませんからね。

 少子化対策にしても、短絡的に「3人目を出産したら補助金を」という行政が多いようですが、大切なのは生まれた子どもが安心して暮らせる町か、つまり小児救急と産婦人科のセンターが365日きちんと稼動しているかどうかです。それを今治で取り組みたい。

 子どもや孫が安心して暮らせない町が発展するわけがありません。安心して子どもを産み育てられる環境づくりをまずやって、補助金も、出すなら第一子にすべきです。その最初の環境整備のために医師会があることを行政はもっと認識してほしい。

 今治でいえば県立今治病院がありますから、そこの小児科と産婦人科の常勤医を増やし、研修医も呼ぶ方向で話を進めており、他県から国内留学で来てもらうことも考えています。

2014年1月号に続いて2度目の登場となる。今治市医師会長として今治の医療をどう見つめ、行動しているかを中心に話を聞いた。

―病院が新しくなりました

 南海大地震に向け、最新の耐震化を備えた病院に建て替えました。でもこの町に貢献するという意味ではまだまだです。今治は呼吸器の専門医が当院に1人しかおらず、負担が大きくなっているので、愛媛大学のほうに医師を出してほしいとお願いしている状況です。精神科もこの町には、クリニックはあっても、少し入院して社会復帰するための精神科病院がありません。これから精神疾患はとても増えますから、その点の解決も県に要望しています。

―昨今の医療に思うことは

 医療はずいぶん進歩し、社会が成熟して、昔は治せなかった病気も治るようになってきましたが、医者と患者さんの深い関係、人間的な診察がずいぶん薄れていると思います。以前は病気を診ながら、同じ人間としても見ていました。患者さんとご家族が医師を信頼し、医師もそれに応えようとする、日本人らしいマイルドな信頼関係のつくり方が、今は希薄になっているように見えます。

―どうして医者になろうと

 父が開業医でしたから、その影響は大きいです。「医者は世襲制」とまでは言いませんが、医者になりたいという強い動機や環境がないのに、学校の成績や地位や収入の計算だけで医療の道に進むのはやめたほうがいいでしょう。今は医師の偏在などの問題もありますが、これからの日本は人口が減りますから、活躍できる場は少なくなると思います。

 私が医者を続けているのは患者さんを治して社会に帰してあげた時の満足度が高いからです。だから生まれ変わってもまた医者をやるでしょうね。

医療法人順天会 放射線第一病院
愛媛県今治市北日吉町1 丁目10 番50 号
☎0898・23・3358(代表)
http://www.juntenkai.jp/daiichihospital/


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