医療法人松徳会・花の丘病院 松本隆史 理事長・病院長

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笑顔で優しい対応を心がけて

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―松徳会グループとして、病院、クリニック、介護老人保健施設をはじめとした介護保険サービス事業、有料老人ホームなどの事業を展開されています。きっかけは。

 当グループは、産婦人科医である私の妻が1979(昭和54)年に松阪市駅部田(まえのへた)町に「松本産婦人科」を開設したことから始まります。当時は、女性医師がまだ少ないこともあって患者さんが多数集まりました。

 そのころ私は、周産期を専門とする産婦人科医として、大学病院に勤務。時には妻のサポートもしながら、忙しく働いていました。

 そんな中、私の母が認知症になりました。共働きで自宅での介護も難しく、また、当時はそのような高齢者を受け入れる施設も地元にはないという状況でした。「ないのであれば自分で造ろう」と決心し、まず1997年に介護老人保健施設カトレア(100床)の開設に踏み切り、理事長に就きました。

 その数年前、アメリカ留学中に、アリゾナ州のサンシティで、退職した高齢者が自分たちで運営する「リタイアメント・ビレッジ」を見学したことも、影響していたと思います。高齢者同士が楽しそうに交流する様子が印象に残っていました。

―病院も開設し、その後、多角的に展開しています。

 2000年に介護保険制度がスタートしました。これを機に、地域の必要性に応じて、訪問看護ステーション、ヘルパーステーション、居宅介護支援センターなどの事業を開設。ホームヘルパーを養成する「ホームヘルプアカデミー」という事業にも取り組みました。

 花の丘病院を開設したのは2002年でした。診療科目は内科、婦人科、リハビリテーション科の3つです。

 病院開設の理由も、必要に迫られて、という面が大きかったですね。老人保健施設は、介護保険の中で運用されるため、さまざまな制限があります。例えば薬の処方も介護報酬に包括されているため、コストを抑えようとすると選択肢が狭まります。

 一方、病院の場合は比較的柔軟に対応できます。病院の開設で、治療の幅も広がりました。

―グループには、リハビリテーションを担う若い療法士が多いですが、みなさんに伝えていることはありますか。

 研究や学会へ参加することの意義を常々話すようにしています。医学は、リサーチがあってこそ、応用も可能となり、そしてアイデアも生まれてくるのです。特に若いスタッフは、研究を行ったり、論文を書いたりすることで、可能性や隠れた才能が見いだされると思います。

 そのような考え方が周知されてきたのかもしれませんが、当グループでは現在、県内・県外(特に中京地区)から、就職を希望してくれる若い療法士が多いので大変助かっています。

 また、毎朝、職員の朝礼がありますが、私はそこで「笑顔で優しい対応を心がけてほしい」と伝えています。

―国は、療養病床を削減する方針を打ち出しています。

 地域医療構想の関係で、大変悩ましい問題となっています。現在、花の丘病院には、医療療養病床が51床、回復期リハビリテーション病床が45床あります。当院のような私立の医療施設は、1床につき数百万円規模の自己資金を投入しています。病院建設や建設後の病院経営を安定的に行うために必死の努力を続けています。

 国の許可ももらって開設している訳ですから、それを返上するのはなかなか難しいのではないでしょうか。当グループでは、在宅医療を支えるために訪問看護や訪問リハビリテーションなども行っています。地域の皆さまの実情を知っているだけに、療養病床を減らすことが必ずしもいいとは思えません。

 加えて、医療の問題は地域の事情で全く異なる場合もあります。そこで、今年の5月末には、「三重県慢性期医療研究会」を立ち上げました。

 まずは地元の有志で、病床削減の問題も含め、これからの三重県の慢性期医療について考える場を作りたいと思います。

 病院、老人保健施設、それに付随する各施設の稼働状況からも、われわれは地域の皆さまに安全で安心な医療、介護サービスを提供し、地域医療へ貢献を果たしてきているという自負があります。

 ですから、病床数を縮小するという気持ちは、今はありません。より充実させるためには何が必要か、それを考えながら日々臨んでいます。

医療法人松徳会 花の丘病院
三重県松阪市山室町707番地3
☎0598・29・8700(代表)
http://www.shoutoku.or.jp/hananooka/


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