西尾市民病院 禰宜田 政隆 院長

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温かい心と確かな技術で

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―2012年に院長に就任、4年目です。現在の課題は何でしょう。

 しかし、当院には、西尾市の基幹病院としての役割がありますので、医師確保の実情を伝えて市に支援を働きかけたところ、2014年度から、西尾市独自の医師確保のための奨学金制度がスタートしました。

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 また、西尾市の町内会の代表が一同に集まる会議で、代表各町内会長の方々にお話しする機会もありました。当市の町内会の連携は強く、市民への理解も得られ、市の人口17万人を超える約17万7千人の西尾市民病院の充実を請願する署名が集まり、愛知県知事へ提出されるなどの動きもありました。

 私も愛知県内の大学医局を中心に訪問し、これまで訪問回数は100回を超えました。しかし、手応えを感じるにはまだ至っていません。

 医師不足が大きく影響するのは、救急や当直の問題です。一人の医師の当直の回数が増えると、疲弊しますし、それが続くと辞めてしまう。それによってさらに他の医師の当直回数が増えるという悪循環が生まれます。常勤医師は現在50人弱ですが、私の理想としては、80人程度。対策として、女性医師の活用を考えました。女性医師は、結婚、子育て後は職場復帰が難しくなります。

 そこで、「時短」という働き方を提案。当直はなく昼間の勤務に特化した形ですが、おかげさまで時短を希望する女性医師の採用を今年の4月にスタートすることができました。フルタイムの医師の負担が少しでも減ることを期待しています。

 また、3年ほど前から、病児保育を始めたり、夜間保育の日数を増やしたりという手だてを講じて院内保育所の充実を図っています。女性医師や看護師が働きやすい体制を作ることで、より良い職場作りを目指します。

―貴院の特長は。

 当院は400床。大学病院などと比較すると、市の基幹病院ではありますが、職員数が少ないのでアットホームな雰囲気があります。

 診療科の責任者が、直接、研修医に指導するということを大事にしています。職員同士でもあいさつを大切にして「自分一人だけではチーム医療は成り立たない」ということを理解して欲しいと伝えています。

 コミュニケーションの機会を作る、及び派遣医師の応援目的で、2014年に佐久島でのレクリエーションを始めました。そこは、西尾市から船で20分ほどのところにある人口約250人の島。診療所には、県の要請を受けて、当院から若手の医師を一人派遣しています。

 島の診療所は、若手医師がへき地での医療を体験する絶好の場になっていると思います。

 2014年の夏にはこの島に、40人くらいのスタッフを連れていき、昼に島民の健康の相談を受けて医療過疎地での現状を肌で感じ、その後はバーベキューをしながら職員間の交流を深めました。

 西尾市内ではICT(情報通信技術)を活用し、病院同士で患者さんの検査結果などの情報を共有する「くすのきネット」という取り組みが進んでいます。

 西尾市医師会が中心となり運営。現在、市内のおよそ5割となる41軒の医療施設が加入しています。いずれは佐久島の診療所もこのネットを活用して、情報を共有できるようにしたいと考えています。

 地域包括ケア病棟が48床あるのも当院の特徴です。この病棟があることで、すぐには在宅復帰が困難な手術後の患者さんなどを受け入れ、十分落ち着いてから在宅復帰させることができるようになりました。抗がん剤の治療を経た患者さんを診ることもできます。今後は、患者さんの真の社会復帰をより意識して診療していくために、一人の人を「全人的」に診ることができる医師の育成を目指します。

 大病院しか知らずにいろいろ言われる方もいますが、さまざまな医療を見ることで、日本の医療の良いところも悪いところも見えてくるのではないでしょうか。

 「温かい心と確かな技術、めざそう人に優しい医療」という、当院の理念を具現化するためにも、それを担うことができる人材を当院で育てたいと希望しています。

―市民への情報発信は。

 病院長になってからフェイスブックでの発信や市民公開講座を始めました。地元の方と話すと「市民病院にはMRIはありますか」といったびっくりするような質問も受けます。地元には建て替わる前のイメージのままという方もいるので当院の情報を正しく伝えることも大事です。

 市民公開講座は、毎回、約200人が参加するなど好評ですので今後も続けて参ります。

西尾市民病院
愛知県西尾市熊味町上泡原町6番地
☎0563・56・3171(代表)
http://nishio-shimin-byouin.jp/


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