独立行政法人国立病院機構 山口宇部医療センター 松本 常男 院長

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医師を「待つ」だけでなく「育てる」ことに力を

経歴:広島大学附属福山高校卒業。1976 年、山口大学医学部卒業、同大学医学部附属病院医員。厚生連周東総合病院放射線科医長、山口大学医学部附属病院講師などを経て、1990 年、シカゴ大学放射線科カートロスマン研究所留学。山口大学医学部助教授(放射線科)などの後、山口宇部医療センター臨床研究部長、副院長を経て2016 年4月から現職。資格等:医学博士、日本医療放射線学会 放射線科専門医・放射線診断専門医

 山口県宇部市にある「山口宇部医療センター(山口がん・呼吸器センター)」に、この4月、松本常男・新院長が誕生した。同センターの特徴や課題は。眼下に瀬戸内海が広がる同センターで、松本院長に話を聞いた。

 当センターは、これまで「重症心身障害児(者)の診療・療育」「がん診療」「呼吸器疾患の診療」を3本柱としてきました。

 今後も、これまで同様、専門病院としての役割を果たしていきたいと考えています。

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重症度が高い重症心身障害児(者)の診療・療育

 重症心身障害児(者)の診療については、気管切開や人工呼吸器の装着を必要とする「超重症児」と、それに準ずる「準超重症児」が多いことが特徴のひとつでしょう。

 2014年のデータでは、超重症児・準超重症児の割合が、国立病院機構の病院の中でもっとも高い。全国のすべての病院で見ても、かなり上位だと考えられます。

 院内には、山口県立宇部総合支援学校医療センター内学級がありますし、在宅の方を支援するための短期入所なども行っています。

がんの緩和にも注力

 当院の年間入院数はおよそ3000。一般病棟の在院患者さんの7割ががんの患者さんです。

 中でも肺がんの患者数、手術件数は県内最多。2011年には特定領域県がん診療連携推進病院(肺がん)に指定されました。

 緩和病棟を併設し、がんの予防、検査、治療、終末期まで網羅できる体制を整えているのも特徴です。緩和病棟は山口大学医学部附属病院などからの患者さんの受け皿となっています。

 終末期についていうと、これまでは当院で最期を迎える方が多くいらっしゃいました。今後はできるだけ在宅へ移行したいと思っています。

 そのためには、医療者が患者さんに早い時期から関わるべきでしょう。当院の緩和の医師ももっと必要ですし、宇部市で在宅医療に関わる開業医の先生方も、さらに増えてほしいと願っています。

 宇部市医師会には「在宅緩和ケアを中心とした癌(がん)の医療連携」の分科会があり、緩和ケア地域連携パスを作って運用しています。ICT(情報通信技術)の活用で、在宅での医療は今後さらに効率的になるだろうと思います。

 今後は、もっと違う緩和を、とも考えています。個人的には、イギリスで始まった、がん患者と家族の居場所「マギーズセンター」のようなものがあってもいいのかもしれないとも思いますね。

 当院は、看護師が先駆的です。がんの看護外来もありますし、がん化学療法認定看護師や緩和ケア認定看護師を含め、がんの治療やケア、サポートのノウハウを持っている人も数多くいます。

 他病院の緩和ケアチームなどに指導するなど、地域のレベルの底上げにも力を発揮しています。先日、当院で開いた看護職対象の緩和セミナーも定員を超える申し込みがあったと聞いています。

全国的に知られた呼吸器疾患診療

 当院は肺がんや中皮腫といった呼吸器疾患の治療で全国に知られ、特に呼吸器外科には、東京や千葉からも、患者さんがお見えになります。

 呼吸器外科は人員的にも充実しています。ただ、呼吸器内科は、さらに医師がほしいところです。肺炎、間質性肺炎、結核、非結核性抗酸菌症、COPDなど、呼吸器の疾患は肺がん以外にも数多くあります。ニーズに応えたいと思うものの、呼吸器内科医は全国的に見ても数が足りず、当院でも補充が難しくなっているのです。

 昨年8月、山口大学に呼吸器内科の教室ができました。今後は、この教室と一緒になって、この領域の若い医師を育てることに力を注いでいく必要があると思います。

 これまでも、当センターから複数の博士号取得者を出すなど、教育面で貢献してきたと思っています。来春スタート予定の新専門医制度では、山口大学医学部附属病院が基幹病院、当院が協力病院となって、一緒に専門医の育成をしていく計画です。専攻医が当院で症例を重ね、専門医となっていってくれればと期待しています。

 当院の強みをアピールするために広報も強化する必要があると感じています。それによって、患者・医療者の方々が、当院に来たいと思ってくだされば、うれしいですね。

山口県宇部市東岐波685番地
☎0836(58)2300


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