リンパ球バンク㈱がANK免疫細胞療法セミナー

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がん治療の主役は免疫 | 再発・転移が問題 局所療法で全身病は治らない
読売新聞西部本社の後援受けて

 がん免疫治療で先進的な取り組みをしている京都大学発のベンチャー企業、リンパ球バンク㈱(2001年設立=本社東京・藤井真則社長)主催のANK免疫細胞療法セミナーが4月6日、福岡市中央区赤坂のよみうりプラザで開かれ、80人が参加した。読売新聞西部本社が後援し、司会進行も担当した。

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講師の藤井真則リンパ球バンク㈱社長

厚労省でプレスリリースしたANK細胞療法

 ANK(Amplified NaturalKiller)免疫細胞療法とは、免疫系の細胞の中でも特にがんに対する殺傷力が強いNK(ナチュラル・キラー)細胞を体外に取り出して、活性を高めながら同時に数を増やして患者の体に戻し、がん細胞を駆逐させる治療法。全身に行き渡るため、発生部位から遠くに飛び散ったがん細胞や、検査で見つけ出せない小さながん細胞でも狙い撃つのが目的だという。2014年7月には厚生労働省内でのプレスリリースにより、大手マスコミや業界紙向けにこの治療法が紹介されている。

 冒頭あいさつした原田広太郎取締役は、㈱千鳥饅頭総本舗(福岡市博多区上呉服町)の取締役も務めている。

 原田氏によれば、先代社長で父親でもある原田光博氏が末期がんで余命宣告を受け、当時、京都大学で研究段階にあったANK免疫細胞療法で元気になり、その後15年間活躍することができたという。効果を実体験した光博氏は、がんで苦しんでいる人にANK免疫細胞療法を受けることができる環境をつくるため、リンパ球バンク㈱の設立に尽力した。

 原田氏は「がんの宣告を受けたからといって、あきらめるのではなく、生きる決意をすることがなによりも大事。治療に当たっては医師と相談しながら、自分自身もがんをよく調べ、納得のいく治療を選択することが大切。父のいきざまからそれを学んだ」と話した。

京都大学で培養に成功

 この日の講師はリンパ球バンクの藤井真則社長。

 藤井氏は、「人の体内には、がん細胞を強力に殺傷するナチュラル・キラー(NK)細胞が存在する。しかしがん患者の体内ではNK細胞が強い免疫抑制を受けており、がん細胞の増殖を許している」とし、「米国国立衛生研究所(NIH)では患者の体からNK細胞を体外に採り出し、強く刺激してから患者の体内に戻す大規模臨床試験を実施、数百人の患者全員が効果を示したが、莫大なコストがかかって実用化できなかった」と説明、そのうえで、「実用レベルでの培養に成功したのは、京都大学の腫瘍免疫学の専門家2人で、現在は退官し、リンパ球バンク㈱の会長や培養を行う医療機関の院長を務めている。

 ANK免疫細胞療法と名づけられた治療法は、京都大学での臨床上の研究を重ねたのち、2001年に、培養センターなどを提供するリンパ球バンクが設立された」と話した。

 治療実績は2016年3月末時点で2640人だという。

発熱は強い免疫刺激に必発

 さらに藤井氏は、「ANK療法は5〜8リットルの血液からリンパ球を分離採取し、2〜3週間かけてNK細胞を選択的に増殖させ、これを1クールとして、原則12回に分けて点滴で体内に戻す。この際、人によって40度前後の発熱を伴うが、これはNK細胞が放出する免疫刺激物質インターフェロンなどの作用。強い免疫刺激はどうしても発熱を伴う。自由診療で実施され、1クールでおよそ400万円強かかるので、分子標的薬との併用や、既存の標準治療との最適な組み合わせを医師と相談して決めることが現実的」と述べた。

標準治療と組み合わせ

 そして、「手術で取れるがんは取り、放射線で縮小するものは縮小させることが賢明。抗がん剤も効く期間があるので、保険診療で標準治療を受けるという選択肢は捨てるべきではない」としたうえで、「がんと診断されたら、まず標準治療の専門医と相談し、同時にANK療法医に、診断履歴や治療履歴、標準治療の治療方針を可能な限り正確に伝えて相談してほしい」と語った。

 最後に実施医療機関からひわきクリニック(北九州市小倉北区)の樋脇一久院長が壇上に立ち、症例報告を行った。

 樋脇院長は、実の父親の重復がん(膀胱・大腸)多発転移に取り残し手術を断行し、術後にANK療法2分の1クールを実施。10年後の今も元気に暮らしていると話した。

 そして、「北九州や福岡市内の大きな基幹病院とも最近さまざまな連携が取れるようになった。これはNK細胞の重要性が九州地区でも認知されるようになったため。将来は免疫細胞療法としてはNK細胞を用いるものしか残らないのでは」と話した。

 問い合わせと資料請求は ☎0120・51・2251 ANK療法インフォメーションセンター(平日午前9時半〜同午後4時半)まで。


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