宮崎市郡医師会病院 柴田 剛徳 心臓病センター長(副院長)

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世界水準の医療を宮崎で

しばた よしさと▶1987 熊本大学医学部を卒業し同附属病院第2内科講座入局 1988 福岡徳洲会病院 1989 熊本中央病院循環器科 1990 天草中央病院循環器科医長 1994 倉敷中央病院循環器科 1997 宮崎市郡医師会病院循環器内科医長 2011 同心臓病センター長兼循環器内科科長 2012 同副院長兼心臓病センター長 ■日本内科学会認定医 内科総合専門医 内科指導医 日本循環器学会専門医 日本心血管インターベンション治療学会評議員・指導医 日本心臓リハビリテーション指導士 日本心臓リハビリテーション学会評議員 

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宮崎県全域の循環器疾患をカバー

 この心臓病センターは、宮崎県全域の急性期の心臓病や血管の患者さんに高度専門医療を提供することを目的とし、県内のおよそ半分の重症患者さんを診ています。

 そのため、センター医師は25人(循環器内科医21人、心臓血管外科医4人)いて、4人の循環器内科医師および心臓血管外科医師が夜間、休日にかかわらず院内、院外に24時間待機しています。

 また循環器疾患の救急医療、高度医療、地域医療提供のため医師だけでなく、専門の看護師、放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、理学療法士、薬剤師、栄養士などが協力して診療にあたっています。

 設備としては、心臓病専用ICU6床、CCU6床のほか、心臓超音波装置10台、トレッドミル運動負荷装置、ホルター心電図を備えた生理検査室、冠動脈CT装置、心臓核医学検査装置、心臓血管外科手術室、ハイブリット手術室、心臓血管専用造影検査室4室、心臓リハビリテーション室、またモービルCCUの運用など、可能な限りすべての循環器疾患治療を受けられる体制を整えています。「心臓の病気は市郡医師会病院があるから大丈夫」「胸を苦しがる患者が急に来院しても、いつでも医師会病院で診てくれる」と、市郡医師会や県内の先生方に安心して頼っていただけるようになるのが私たちの願いです。

地域医療は地方医療にあらず

 近年、循環器疾患の治療は「より低侵襲で」の方向になりました。冠動脈疾患だけでなく先天性心疾患や高齢化で増加している弁膜症も、カテーテルで治療する時代となり、超高齢の方でも治療が可能になりました。

 このセンターの冠動脈カテーテル治療症例数は年間1000件近くで、そのうち緊急診療の件数は300件以上です。ほかにも末梢血管カテーテル治療数は250件、不整脈に対するカテーテルアブレーションは300件を超え、国内トップレベルの実績があり「地域医療は地方医療にあらず」をスローガンに宮崎県内で完結できる医療を目指しています。さらには、宮崎県民が世界水準の治療を受けられるようになることが私たちの目標でもあります。

 日本の今後を考えると、特に地方は高齢者の急増により医療過疎になりやすく、懸念されるのは、高齢化が進むにも関わらず、適切な治療を提供する医療機関が存続していけるかどうかです。とりわけ大きな問題は医師不足でしょう。

 そこで、研修に来たいと思われるようなセンターにするために、教育と臨床研究に力を入れてきました。現在のところ当院の循環器内科医師の多くが県外出身で、北海道から沖縄まで、全国から若くて優秀な、やる気のある医師が集まってくれています。

 さらには学会でのカテーテル治療術者に選ばれてライブデモンストレーションしたり、国内、海外の医師を対象にした院内インターベンションワークショップを年間20回以上開催し、延べ1000人を超える医師に見学と指導を行っています。

 また、年1回の一般市民に向けた循環器疾患の公開講座、年20回以上の医療関係者を対象にした循環器研究会を開催し、宮崎における予防医学の啓発や医療水準の向上に努めています。

全国に医師を輩出したい

 私は福岡県北九州市の出身ですが、医療においてこの宮崎で19年間お世話になっている恩返しをこの地で全うし、さらに多くの医師を育てていきたいと思っています。また、このセンターで学んでいる若い医師が、いつか地元に戻って宮崎の医療を各地で発展させてくれることを願っています。そのため日常診療を最重要視し、教育の観点からも全員参加の重症疾患の回診や症例カンファレンスを毎日行っています。そして、豊富な症例数を基に、国内にとどまらず世界に向けて学会発表や論文作成などの情報発信をすることで医療の発展に貢献し、この宮崎から世界を見据えることができる心臓病センターを目指しています。


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