医療法人 東恵会 近藤 東臣 理事長

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周産期医療の要は女性医師の働く環境つくり
【コラムニスト理事長が語る、現場改革への提言】

こんどう・はるおみ 愛知県立旭丘高等学校卒業、岐阜大学医学部卒業/ 1967 名古屋市立大学医学部産婦人科学教室入局 1971 名古屋市立大学医学部大学院修了、医学博士 1975 名古屋市立大学医学部産婦人科学教室、医局長 1978 医療法人東恵会 星ヶ丘マタニティ病院開設 院長 2006 医療法人東恵会 理事長 2010 愛知県産婦人科医会副会長、日本産婦人科医会代議員 2012 愛知県産婦人科医会会長、日本産婦人科医会理事

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病院ホームページで連載されているコラムが好評です。

 2006年から10年以上続けています。読んでいただいているのは当院の患者さんが中心でしょうが、折々の話題などを参考にしながら産婦人科以外のことも書くなど、できるだけ若い方に読みやすく書くように心がけています。アクセス数もかなり多く、書き続けるモチベーションになっていますね。

周産期医療は喜びも多いのでは。

 そうですね。産婦人科でも、がんや更年期、思春期を中心にしている病院もありますが、当院は周産期がメインですので、新しい生命の誕生に立ち合えるのは最大のやりがいです。責任重大でもあるし、実際、40年以上キャリアを積んだいまでも、無事にお産を終えるまでは食欲不振に陥ります(笑)。

 医学生が産婦人科に進みたいと思うきっかけとして一番多いのは、お産の実習を経験して分娩の瞬間に感激するからでしょう。しかし、実際に産婦人科医になってみると、時間的にも肉体的にも拘束されて非常に過酷な仕事であることを実感する。さらに、最近では医療訴訟も増えていますので、残念なことに周産期から手を引く医師も多くなりました。

産婦人科医の活躍を描いた漫画『コウノドリ』(鈴ノ木ユウ/講談社)は、 テレビドラマにもなって話題になりましたね。

 私もドラマを観ていましたが、とても良くできていると感心しました。医療ドラマでは、往々にして正確でない描写や勝手な解釈などがあり、医師が観るとフラストレーションがたまるものもあるのですが、『コウノドリ』は臨場感があって引き込まれてしまった。ある学会で、作品のモデルになった荻田和秀医師と会ったことがありますが、「(主人公を演じた)綾野剛ほどイケメンではないので写真はかんべんしてほしい」などと笑わせていましたよ。

 思うに、『コウノドリ』が良かったのは、「お産で赤ちゃんが元気に産まれてくることは奇跡に近いことだ」という考え方を基にしていたことです。たとえば、現在の母体死亡の割合は10万人に2人か3人、新生児の死亡は1000人に1人、脳性まひなどが1000人に3~4人です。これをゼロにするのがわれわれ産婦人科医の願いであり使命ですが、かつてはそれぞれが10倍の数でした。母子ともに健康に産まれてくること自体が「めでたい」という時代もあったのです。

 現在においても、お産でなんらかの異常が起きる可能性は常にありますので、それを最小限に食い止めたり、悪化しないように奮闘するのが産婦人科医の役目だと自負しています。

愛知県産婦人科医会の会長として、重点課題は。

 全国的にみてもそうですが、女性の産婦人科医が多くなりました。40代以下でみると半分は女性ですが、残念なことに、女性医師は結婚や出産のために医師として一番経験が積める時期に現場から離れてしまう傾向があります。しかたのないことですが、一方で男性医師や独身の女性医師に過重な負担を強いることになっているのも現実です。よく男性医師がぼやいていますよ、「おれたちは夜の仕事になってしまった」とね(笑)。

 さらに、産婦人科医の会員数自体はそれほど減っていませんが、周産期を担える医師が減っています。このままでは、60歳前後の医師が引退すると周産期医療が崩壊するのではないかという危惧すらあります。

 では、どうするのか。私は、女性医師が働きやすい環境を整備するしかないと考えています。ハード面でいえば、当直にも対応できる保育施設の整備が不可欠でしょう。システム面では、大学の派遣なども利用して、当直を「週に1回」体制にするなどして過重な勤務を減らしたい。当直明けの午前中を休めるようにできればさらに良いですね。

 夜間のお産に対する分娩手当なども含めて、女性医師が活躍できる環境整備の必要性を広くアピールしていきたいと思います。

産婦人科・内科・心療内科・小児科・再生医療科(歯科口腔外科・形成外科) 医療法人 東恵会 星ヶ丘マタニティ病院
〒464-0026 名古屋市千種区井上町27 番地
TEL:052-782-6211


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