国立大学法人 三重大学 駒田美弘 学長

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人のつながりから 創発的な動きを

こまだ・よしひろ 経歴/ 1976 年 三重大学医学部医学科 卒業1980 年 同大学大学院医学研究科小児科学専攻(博士課程) 修了 医学博士 三重大学医学部小児科 医員 同 国立療養所 三重病院 小児科 医員 1981 年 米国テネシー州 セントジュード小児研究病院 病理部リサーチフェロー 1983 年 国立療養所 鈴鹿病院 小児科医師 1986 年 三重大学医学部付属病院 小児科 助手 1989 年 同大学講師 1996 年 三重大学医学部付属病院 周産母子センター 助教授1999 年 同大学小児科学講座 教授 2006年同大学大学院医学系研究科長、医学部長、医学科長 2010 年  同大学評議員 2012 年  同大学大学院医学系研究科臨床医学系講座小児科学教授 2014 年 三重大学副学長(危機管理担当) 2015 年 国立大学法人三重大学 学長就任 第12 代学長専門分野/小児血液・腫瘍学 腫瘍免疫学 小児の地域医療

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―学長就任から1年です。

 本学は、人文学部、教育学部、医学部、工学部、生物資源学部の5学部から成ります。これまで医学部以外の教員と接する機会はあまりありませんでしたが、学長になって他学部の教員と交流するとみなさん優秀で、頼もしい。プロ集団だなと感じました。

 本学は、①安心感のある運営と改革、②社会の未来を創る高等教育、③女性・若手に優しいキャリア支援、④大学発の地域イノベーション、⑤多様で独創的な学術研究⑥自然と共生するグローバルキャンパスの6つのビジョンを掲げています。

 これを柱に、教職員が心を通い合わせて、希望とやりがいを持って教育研究活動を推進できる三重大学をつくり、三重県に貢献することが役割だと考えています。

―医学部の教育の特徴は。

 三重県は、北はいなべ市から南は紀宝町まで、長さ約170km、東京の霞ケ関からですと静岡県掛川市までに相当するという、大変距離の長い県です。

 このため、地域の医療ニーズがさまざまで、求められる医療は高度医療からへき地医療まで幅広いものです。

 本学は、県内唯一の医療・医学研究を担う人材を養成する大学として、実習に注力しています。中でも、海外実習には特に力を入れており、学生の約半数が参加します。国内の医学部でこれだけの規模で行っているのは、あまり例がないと思います。

 アメリカやヨーロッパといった先進国から、アフリカのような開発途上国まで、実習から多様な医療を学べることが特徴だと思います。

 命の大切さ、と一言でいいますが、先進国では、なかなかそのような実体験はできないかもしれません。開発途上国での研修は、貴重な経験になると思います。

 学生たちには「やる気」と「笑顔」を大切に学んでほしいと願っています。実習のおかげでしょうか、三重大学の卒業生はたくましいと外部からは高い評価もいただいています。

―先生は小児科医として活躍されました。

 臨床最後の日に、入院中の女の子から「聴診器をちょうだい」と言われて、サインを書いてプレゼントしました。その子には「将来お医者さんになりたい」という夢がありました。プレゼントには、それを叶えてほしいという願いと、この日を境に、学長への仕事に集中しようという思いがありました。

 小児科医でしたから、どうしても、声が小さい、弱者である子ども中心の社会づくりを目指したいと考えます。

 先日、学内の保育所に新棟を建設しました。その際に、「イクボス宣言」を行いました。大学や病院の子育て中の職員が、働きやすい職場づくりをするというメッセージを発信するためです。しかし、それはあくまで、保育の質が担保されての話です。子どもたちが、保育所でも、元気で、のびのびと生活が送れることが一番大事です。

 教育学部では、指定保育士養成施設の認可を受け、2016年度の入学生(幼児教育コース)から、保育士資格に必要な科目を履修すれば卒業時に保育士の資格が得られるようになりました。三重県も保育士不足ですが、質のいい保育を、ここで学べると思います。

―学生に望むことは。

 理系と文系のいずれの分野で学ぼうとも、専門性を極めること、得意な分野を伸ばすことは大事です。また、基本的な教養もきちんと身につけて

 具体的には、教養教育機構という専門の組織をつくり、ここで全学生を対象にした教養教育を企画します。2015年4月から、新たなカリキュラムも実施しています。

 本学の教育の基本的目標として、4つの力(感じる力、考える力、コミュニケーション力、生きる力)の育成を掲げています。総合大学ならではの教養を身につけてほしいと思います。

 三重大学は、自然が豊かです。四日市ぜんそくを克服した県であるということもあります。このため、環境の大切さを伝えるため、省エネ、スマートキャンパスといった具体的な活動に全学で力を入れ、2015年12月には大学初の第17回グリーン購入大賞「大賞・環境大臣賞」も受賞しました。

 環境を次世代に引き継ぐこと、そして環境に優しい地域の人材を育てるという意味で、学生に環境への高い意識を持ってもらうための教育に取り組んでいきます。

―地方創生、地域の活性化にも取り組んでいらっしゃいます。

 地域の自治体や企業の方とともに、地域の雇用創出や、学生の地域への定着のための「地方創生推進事業」に取り組んでいます。学長就任後に、三重県内の29市町をすべて回り、首長の皆さんと直接お話をしてきました。地域に行かないままでは何も語れないと思います。お会いすると、要望もいただくなどたくさん得るものがあります。

 何かを生み出すためには、コミュニケーションが大事だと思います。根本は、人と人との結びつき。いろんなベクトルを持った人が頑張って取り組むことで、想定外のことが創発されると思います。その知の拠点としての役割が三重大学にあるのだと思います。

津市栗真町屋町1577
TEL:059-232-1211(代表)


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