医療法人愛整会( 北斗病院・岡崎整形外科)  齋藤 好道 理事長

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2015年春に新病棟が完成 / 「地域の需要に応えることだけ考えてきました」

齋藤好道/略歴▶1967 愛知県立岡崎高等学校卒業 1974 日本医科大学医学部卒業 名古屋大学医学部麻酔科研修医 1975 ~名古屋大学大学院 1979~静岡済生会病院 静岡厚生病院 市立岡崎病院に勤務 1986 岡崎整形外科病院を開設し院長 2003 医療法人愛整会北斗病院を開設し現在に至る ■日本整形外科学会・専門医・認定スポーツ医・認定リウマチ医・脊椎脊髄病医・認定運動器リハビリテーション医 日本リウマチ学会・専門医 日本リウマチ財団・リウマチ登録医 日本リハビリテーション医学会・認定臨床医 日本体育協会・公認スポーツドクター 日本医師会・認定健康スポーツ医・認定産業医

 ホームページの院長あいさつに「療養・介護・予防・生活支援・住まいといった、本当に地域に必要とされる医療(治す医療と支える医療)を提供できる地方都市における完全地域密着型病院の理想像を目指します」とあり、使命を「医療はインフラー岡崎市北部の地域医療の拠点となる」としている。その並々ならぬ決意の背後に流れるものについて聞いた。

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 基本は、常に「地域住民が必要とする医療を提供する」という考えです。

 1986年に整形外科専門病院(23床)を開設しましたが、手術だけでなくリハビリの需要が多くなりました。また高齢化に伴い、疾病構造の変化・医療行政改革もあり、2003年に地域密着型の北斗病院(156床)を開設しました。しかし、西三河南部東医療圏の医療資源(医師・病床など)は極端に少なく、さらなる地域密着型病院を目指し、2015年に新病棟を開設し許可病床270床としました。北斗病院は高度急性期病院の後方病院としての機能分担を明確にし、今まで通り一次・二次救急患者の受け入れ、一般病棟・回復期リハ病棟のほか、新病棟完成により療養病棟(包括ケア病棟)などを展開していきます。今後さらに必要となる高齢者医療の地域包括ケアにも積極的に参加していきます。

 先日、転倒受傷し大腿骨頸部骨折で入院して手術をした88歳の患者さんは、30年前に私が膝を手術した患者さんでした。脳梗塞・糖尿病を抱え、老老介護・認認介護で在宅医療を受けていました。今後この方に必要な介護や医療サービスの提供体制は、現在当地域では必ずしも満足のいくものではありません。核家族・多様化の現代社会を、今後どのようにして地域全体でケアし、人間としての尊厳死を迎えられるかが切実な問題です。良質な医療をより安く、効率よく提供するには、産業・経済などすべてを含め地域社会全体で考えていく必要があると思います。

 今日までの厳しい医療環境において、岡崎で私が生まれ育ったこともあり、地元の人々・医師会・大学・行政の方々に力強い後押しをいただいて、地元の病院として発展してきました。これからも職員と共に、完全地域密着型病院の理想像を目指して努力していきます。

―「医療はインフラ」だと断言していますね。

 水道・電気・道路などと一緒で、医療がなければ安心して住民は生活できません。大震災で被害を受けた福島県南相馬市で同級生の医師が頑張っています。「医療施設がないところに住民はなかなか戻ってきません」と言い、今も涙ぐましい努力をしています。

―医療者の目で、日本の将来はどうなりそうですか。

 生産年齢人口がどんどん減少し、人口も減り続けていきますので、まず少子化を止めて多子化に転じなければ明るい未来はないと思います。人々の多様な価値観による行動、労働環境、経済活動、住居などのさまざまな要素を考慮して、地域全体で健康増進社会をつくり上げていきたいです。

 在宅医療も施設医療も、まだまだ問題は山ほどありますが、この地域での医療・看護・介護を効率よく提供する地域密着型病院を目指します。

―昔と違い、自分の死の設計が必要になっています。

 生活の質(ADL)は良くなりましたが、死の質(QOD)が各自に問われる時代になりました。尊厳死における緩和ケアなども、どこまでするべきか本当に悩むところですが、家族は頭では理解していても、現実に体調が急変すると、自宅や施設より病院への救急搬送を希望されることがしばしばです。自宅で身内が亡くなり、看取り経験がない人ばかりになりました。

 救急搬送に限らず、平均寿命を超えた入院患者さんの家族に「救命処置はしますが延命処置はしません」とお伝えするとまだかなりの人は動揺してその場で結論を出さず、相談してきますと言って帰られます。ある病院長は「死に向かう方に伝えたい気持ちは、死は敗北ではなく、本当にご苦労さまでした、という思いです。若い方の死はお気の毒ですが、十分に生き切って、ご苦労様と言われ、死ぬ場所があると社会は安心できると思う。それには医療者のマインドが大事だと思う」などと話されています。私も同感です。

―医師になった理由は。

 小学生時代は格好良いパイロット、中学生時代はベン・ケーシーのような医師に憧れ、中学卒業前に、失明危機に陥るような右目の事故にあい、高校入学時に医師になろうと決意しました。治療に不満があったわけではないですが、その時の痛みと不安は今も忘れていません。だから医者を志す人は、困っている患者の立場で常に考え行動していただきたいです。今できる範囲で最善を尽くす。できない時は「自分の実力がなく、できません」とはっきり言うべきです。できる医師はいます。患者さんのために速やかに紹介しましょう。

北斗病院
愛知県岡崎市仁木町字川越17-33 TEL:0564-66-2811
【診療科目】
■内科 外科 皮膚科消化器内科 血液内科循環器内科 神経内科呼吸器内科 整形外科脳神経内科・外科リハビリテーション科アレルギー科 リウマチ科
【部門】
●薬剤室 内視鏡検査室リハビリテーション室 放射線室 健診センター栄養室 地域医療連携室臨床検査室 救急外来室医事課 医療福祉相談室訪問看護ステーション


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