医療法人社団 日本鋼管福山病院 浜田 史洋 理事長・病院長

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地域の皆さんに「この病院を選んでよかった」と言われる病院であり続けたい

1978 年岡山大学医学部卒業、広島市民病院 1980 年済生会松山病院 1983年岡山大学医学部附属病院 1988 年岡山刑務所 医務科 1989 年岡山大学医学部附属病院 1989 年日本鋼管福山病院2007 年日本鋼管福山病院 副院長 2013 年日本鋼管福山病院 理事長・院長

―福山市での貴院の役割、また特長は。

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 市内には、元々国立福山病院があり、その後できた福山市民病院、中国中央病院と、それぞれ300床前後の3つの公的な病院がありました。その後、日本鋼管(現在はJFEスチール)の職域病院から始まった当院ができ、現在は4病院がそれぞれの各地域で中心的役割を果たしています。

 当院は、阪神大震災の際には、特に搬送が必要な緊急透析患者を、工場内のヘリポートを活用して受け入れました。現在、市内では福山市民病院と当院の両院が災害拠点病院と位置付けられており、2011年には広島DMAT指定病院となり、その責任を果たすべく訓練も行っています。

 また、当院は備後地区にあり、その位置から、隣接する岡山県の西部の方まで治療対象となりつつあります。現在1日平均で、外来患者数は700人程度、病床数の規模からすると、かなり多いです。山の上にあり交通至便な場所ではありませんので、ほとんどの患者さんが車でお越しになるのですが、そのようにたくさんの方に選ばれている病院だということを大変誇りに思っています。

―患者数が多いのはなぜですか。

 当院はもともと職域病院から始まっていますので、健診業務に力を入れて参りました。中でも、生活習慣病の患者さんを早期発見し、早期治療するという責任を担っています。近年増加している生活習慣病ですが、当院で発見されると治療もそのまま当院でという流れがあります。

 工場の大きな石の門が今もありますが、もともと当院は製鉄所の一員で2002年に医療法人化されました。私は理事長となって2年目です。当院はJFEスチールの一員である、という仲間意識があり、またなかなか風通しのいい病院です。職員が一緒になって助け合い、協力していくという風土があり、私はそこが一番好きなところで、一番のモチベーションです。患者さんから「この病院を選んでよかった、安心ね」と言われる病院になりたいですし、またあり続けたいと思っています。

―医師を目指したきっかけは。

 小学生のころ、「死」の恐怖にとらわれた時期がありました。暗闇が怖くて仕方ないと感じるような子どもでした。しかし、そのうち皆同じように死ぬのだから、その脇で支えるのもいいなと思うようになりました。身体が弱く、いつも往診に来てくださった近所の開業医の先生に憧れたというのもあります。

 高校時代は水泳に熱中。きっかけは友人の誘いでしたが、キャプテンになり、3年生の11月まで泳いでいました。岡山大学では、これも誘われて入部した男性合唱団で頑張りました。卒業から50年近くたった今でも、当時の仲間とはOBとして舞台にあがります。孫、子と一緒に3代で活動するOBもいるほど。男性合唱も、うまくなると本来聞こえるはずのない高い声が聞かれる現象、いわゆる「倍音」が聞こえます。われわれは「天使が降りてくる」といいますが、そんな瞬間があるんですよ。

―物事を始めたら継続される方なんですね。

 そういう意味では外科医に向いているんです。ひとつの事を何度も何度もやっているうちに外科の技術は洗練されていく。本当にうまい医者の手術は見ているとシンプル。何のよどみもなく、洗練された技術は「あれなら自分もできるのでは」と思わせる。外科医は技術を深め、絶え間なく自分を磨いていかなければいけません。

―今後力を入れていきたいところは。

 急性期から在宅までの切れ目のない医療の継続と、内視鏡、糖尿病、整形の分野でさまざまな症例を受け持ちながら、地域の開業医の先生と連携してまいります。

 また、JFEスチールは関連会社を含めると1万人以上の従業員がおります。彼らの病気の予防は、つまり工場での事故を防ぐということ。健康管理は、労働力を管理するという開院以来の考えも大事にします。

―2015年12月1日に施行されたストレスチェックの実施義務もありますね。

 ストレスチェックについては、すでに具体的な実務を進めています。

 また、最近は、入社時点ですでに「生活習慣病では」という若い社員がいます。会社にとっては重要な人材ですから、彼らに「あなたの体質は、このままいくと成人病だ」ということを伝え、指導し、その人の一生をいい方向に持っていくことも、職域病院の役割だと思います。気付くという意味で、健診はチャンスです。

―看護師の確保のため力を入れていることなどがあれば。

 院内で保育所を運営していましたが、あわせて病児保育もできるようにしました。福山市の施策の後押しもあり、せっかくならオープンな施設にしようと、院内の職員だけでなく外部の方にも利用していただくことになり、2015年4月からは認可の保育所となりました

 私は、メディカルコントロールといって、福山市の救急救命士の救急現場での活動の検証医となっています。先日、たまたま連携する救命士さんが、病院で誰かに手を振っているのを見て「どうしたんですか」とたずねると、子どもさんがうちの保育所に通っているということでびっくりしました(笑)。

 福山市は待機児童ゼロというのが誇りですが、当院が、病院以外の部分でも、貢献していると思います。


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