宮崎大学 新学長 池ノ上 克

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「世界を視野に、地域から始めよう」
2016年4月「地域資源創成学部」開設 宮崎の資源を見つけ、育てる 

1970 年 鹿児島大学医学部卒業 1982 年 日本大学医学博士取得  1991 年 宮崎医科大学医学部教授 2000 年 宮崎大学医学部附属病院副病院長 2007 年 同大学医学部長 2010 年 同大学理事(病院担当) 2014 年 同大学退職、宮崎市郡医師会病院特別参与 2015 年10 月 宮崎大学長就任

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―昨年10月の学長就任から3カ月。抱負などをお聞きかせください。

 本学の「世界を視野に、地域から始めよう」というスローガンを元に、地域活性化の中核となる拠点施設として頑張ろうという基本的理念があります。その路線を踏襲しながら、時代のニーズに対応して、地域活性化への役割を果たすことが、私の仕事だと思っています。

 本学は、4学部(教育・医・工・農)が、地域と深くつながっています。農学部は林産事業、畜産。最近では、口蹄疫を地域と連携して対応しました。工学部は太陽光発電などで地域に貢献しています。教育、医療は、言うまでもありません。

 加えて学部同士が連携して複数のセンターを作り、それが推進力となっていますが、大学は、地域を活性化して、収益につなげるだけでは不十分です。活動の中で、研究のシーズを探し、分析して、国際的に発信することも使命。このために研究を学問として体系化しなければいけません。

―この4月に開設する「地域資源創成学部」もそのような狙いですか。

 準備スタッフは「地域学部」と言っておりますが、理系も、文系も一緒になって、ハード、ソフト両面で地域の資源を見つけ、育成する学部を目指します。

 教員は、元経済産業省職員や、地場企業の方、IT、観光など多彩です。おかげさまで、昨年12月に実施した入試でも手応えを感じています。

―ご自身は、産婦人科教授、医学部長、附属病院副病院長としても地域に貢献されました。

 私は、産婦人科医として周産期医療に取り組みました。宮崎県は、年間1万人の出産がありますが、1994年ごろ、周産期死亡率(出生に占める死亡率)が国内で最も高くワースト1。「これではいけない」と、県内の病院と連携し周産期に対する考え方を統一するため、医師、助産師、看護師とのカンファレンスを定期的に実施しました。

 その際、世界的バイブルである「Williams OBSTETRICS」や、世界レベルの産婦人科医療の症例を念頭に進めましたし、そういった国際的なレベルの議論ができる医師を育てようと指導いたしました。今では、周産期死亡率は国内トップレベルに改善しています。

 また、1万人の出生は視点を変えると研究の種です。若い人たちには、そのような視点で論文を書いて、世界に発表するよう指導しています。

―県内唯一の救急救命センター開設やドクターヘリの導入にも尽力されました。

 宮崎県は、山が多く滑落事故が多いのです。通称ユンボという建設機器と一緒に落ちて、それが身体の上に乗って大出血で命を落とすケースもありました。

 そこで、このような問題を何とかしたいと、県や医師会と連携して、センターとドクヘリを同時に開始しました。認定NPO法人「救急ヘリ病院ネットワーク」の国松孝次理事長(元警察庁長官)に開設の際、ご講演をいただきましたが「よく同時にできましたね」とびっくりされました。

 ドクヘリで運んで来ても、救急救命センターが充実していなければ意味がありません。救急医療をやります、と声をあげましたところ、遠方から卒業生が戻って来てくれました。現在、県内は30分で搬送、年間500回は飛んでいます。ドクヘリは騒音問題など設置が難しいのですが、宮崎の方は理解がありました。

―地域医療に貢献されていますね。

 次は、総合診療医、いわゆる家庭医の養成に力を入れます。本学にも医師を派遣してほしいという依頼がありましたが、心臓の専門医、がんの専門医がいても、ふと気づいたら幅広い疾患を診る医師がいないという状況になっています。

 2015年5月、岐阜から着任された吉村学教授(地域医療・総合診療医学講座)にご指導いただいています。

―留学生の確保にも力を入れていらっしゃいます。

 大学の海外オフィスがミャンマーなど4カ国にあります。加えて、2016年より、タイのカセサート大学と、交流協定を結びました。現地で入学試験が受けられ、単位を相互で取得できるなどの内容です。

―「女性活躍・人財育成担当理事」も新たに設けられました。

 政府の閣僚より少し早いんですよ(笑)。本学全体の女性職員が活躍できるように、新設の理事に医学部の教授を充て担当していただきます。

 調べますと、助教まではいるが、それ以上は少ないなど、学部によって、女性の登用に差がありました。結婚や出産などで戻れないという制度的な問題があれば、それを変えていくようにしたいと考えています。

―ご経験が、大学全体の運営に生かされていくようで楽しみですね。

 キーになる事柄が、各学部にあると思いますので、それを後押ししてまいります。本学には、それを担う研究者が多数いますので、その環境を整備するのが私の役割だと考えています。


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