医療法人 術徳会 霧島整形外科 井㞍幸成 理事長/院長

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地域に新しい流れつくりたい

〈いじり こうせい〉
1987 岐阜大学医学部卒業 1994 鹿児島大学大学院修了( 医学博士)1994-5 Utah 州立大学留学( 骨粗しょう症の研究) 1998 鹿児島大学医学部助手 2001 鹿児島大学医学部講師2003-5 Harvard Medical School 留学( 軟骨変性の研究) 2007 鹿児島大学大学院准教授 2008 北海道大学医学部留学( 脊髄腫瘍の手術研修)2013 今給黎総合病院整形外科部長2014 医療法人 術徳会 霧島整形外科院長 ■日本脊椎脊髄病学会評議員・脊椎脊髄外科指導医 日本整形外科学会専門医・脊椎脊髄病医 日本リウマチ学会認定医・指導医 日本脊椎炎学会評議員

 霧島市に有床診療所を開設し、1年2カ月が過ぎた。「大学の医局に26年、さまざまなことを学び、多くの人々に出会った。そして、開業できた。」と微笑む井㞍 幸成院長に、新規開業への想いを聞いた。

予防の情報提供源に

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 大学では研究に打ち込んだり、手術を学んだり、また専門の垣根を越えて多くの方々と出会うことができました。とても特殊な世界ではありますが、いつもその窓を通して患者さんと向き合って来ました。その結果、今回の開業を地域の方々に受け入れていただけたと思っています。

 このたび人口12万人の地方都市で新規開業しました。

 高齢になりますと、運動器疾患が原因で精神的に影響を受けたり、社会的な負担になったりする現状があります。でもそこには適切な治療をすれば良くなる方がたくさんいます。近年の整形外科医療の進歩でそれが可能になりました。手術の精度や安全性も飛躍的に進歩しましたし、疾患に対する医学的理解も深まってきました。当院では、最先端の手術・リハビリテーションを提供するとともに、予防に結びつく知識を地域の患者さんと共有する、その情報提供源になりたいと思っています。そのために月に1回のペースで、「ヘルスケア教室」を、患者さんや地域の方々向けに開催しています。

ドイツの温泉療法を取り入れて

 健康な高齢者を対象にした、プールを使っての水中運動はあちこちにありますが、障害や疾患、疼痛のある方は、禁止されているところがほとんどです。医学的なバックアップのある適切なプログラムがないためです。当院はそこをやっていきたいと考えています。本年1月の第3土曜日から市営プールを3時間ほど借りて、新たなプログラムで始める準備をしています。

 その実現のため私と理学療法士の計7人がドイツのバーデン・バーデンに研修に行ってきました。温泉療法で歴史的に有名な場所で、運動器疾患や中枢神経疾患に対するプログラムを理学療法士が系統立てて行っています。

 2015年の12月から再度当院の理学療法士が留学し、そのメニューを学んでいるところです。それを持ち帰って参考にし、当院から発信できる水中運動療法プログラムを開発したいと張り切っています。

地域に新しい流れを

 病院に通っている人を健康な社会に送り返す、それをやっていきたい。

 病院に来る人の中には、治療が必要な人もたくさんいますが、そうでない人もたくさんいるんです。病院で行われているリハビリテーションの中には、医療費をかけるのではなく、むしろ自ら運動やスポーツを行いながらケアしていくものがたくさん含まれています。その受け皿をつくることにより、多くの方々が病院に来なくてもいいようにしなくてはならないと思います。本当に困った時だけ、過不足ない最適な手術とリハビリテーションを享受するために医療施設に来てもらうようにすることがこれから必要になってきます。

 最先端の手術とリハビリテーションを追求し続けながら、一方で予防医学の知識を患者さんと共有し、運動療法を広く展開し、不必要な外来通院を減らしていく、そして健康社会づくりに関わる、当院はこの地域に、そういう新しい流れをつくっていきたいと考えています。

変えようとする力の源

 このような考えで開院していたら、協調してくれる職員が集まってきてくれました。それが私の勇気になっています。

 スタッフには、病院の側から患者さんを見るのではなく、患者さんの眼を通してこの施設を利用したいと思えるような働き方をしてほしいと話しています。そんなチームづくりに取り組んでいます。

 自分たちの向いている方向が正しいと信じるためには、自分の良心に従うことが最も力になると思います。自分の心を常に見つめ、人に術を施す、中国の明の時代に由来のある術徳兼備という言葉を、私たちの理念としました。

 これから日本は、各人が社会の一員として生きているというシンパシー、心の平静に戻すようにしていくことが大事じゃないかと思います。当院に来る業者さんも患者さんも家族も職員も、新聞記者のあなたもみんな同胞で、そこを、競争相手や商売相手だとして、立場や対応を変えてしまったら、社会の根本的な協調感はなくなってしまいます。そのような気持ちをみんなが持つことができたら、人口減などで日本が縮小傾向にあったとしても生き残れると思います。これは、国外の友人たちも同じことと思います。私は子供たちに残す未来を楽観しています。


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