医療法人社団 正心会/岡本石井病院 平田健雄 病院長
―この地域で、病院が果たしている役割は。
当院は、県内の大きな自治体病院や、あるいは小規模な診療所などとは違う中規模の病院で、一般病床と療養病床を備える、いわゆるケアミックス型の病院です。規模的な強みは、やはり、一人ひとりの患者さんをしっかり診る余裕があるということでしょうか。
高齢者は複数の病気を抱えていますので、大病院では「まずは循環器科に行ってください。それが終わったら、整形で診てもらってください。次は......」となりがちです。
しかし、当院では、「幅広く、総合的に診ましょう」という姿勢です。ここに来れば、総合的に診療してくれる、という信頼感は当院の最大の強みだと思います。
―リハビリ施設が新設されました。
高齢化社会では、リハビリの果たす役割が非常に大きくなるでしょう。
大きな病院にいると、「治療する↓外に出す」という流れが重視され、医療が「作業」になりがちです。しかし、当院では腰を据えてリハビリに時間をかけますので、「着実に病状が好転する」ということが実感できます。これは、この病院ならではの強みともいえるでしょう。
―高齢化率がピークに達する、いわゆる2025年問題について。
政策として、地域医療構想が進められています。基本的にはそれに沿う体制を作らなければなりません。
地域包括ケア病床についても、総合的に患者さんを診て、リハビリをして在宅に戻してあげようという方向性を大事にしています。
―地域をどのように支えますか。
高齢化率が高いのは、日本全国の自治体と同様です。そういう地域を支えるという意味では、包括ケア病棟に入っていただくだけ、あるいは自宅に戻してあげるだけでは終わりません。
在宅医療の充実が急務になるでしょう。これからは、自宅で療養されている患者さんをどうサポートするか、ということに目配りが必要な時代になります。
今後は、高齢者に提供する医療や介護の品質をしっかり担保しながら、持続的なサービスを確立しなければなりません。当院に課せられた使命だと考えています。