社会復帰に向けたリハビリ治療で患者を元気にするのが我々の使命です

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医療法人 友紘会 皆生温泉病院 森本兼人 院長

【略歴】1976 鳥取大学医学部卒 1980 鳥取大学大学院医学研究科修了 1981 鳥取大学医学博士 1980 国立福知山病院 整形外科 1981 文部教官(鳥取大学附属病院助手) 1987 文部教官(鳥取大学附属病院講師)1988 文部教官 (鳥取大学医学部講師)1990 松江市立病院整形外科部長 1991 皆生温泉病院 整形外科部長 2000 同院副院長 2001 同院院長 日本整形外科学会認定医・専門医、日本医師会産業医、運動器リハビリテーション医、温泉療法医、温泉療法専門医、日本医師会認定スポーツ医、身体障害者福祉法15 条指定医

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―病院の特徴について教えてください。

 1982年7月の開設当初、このあたりにリハビリテーション施設はまだありませんでしたが、当院の理事長には施設内に温泉を引いたり、リハビリ治療を充実させたいという発想がすでにありました。

 そこで、開設の翌年には運動療法施設の基準を取り、PT(理学療法士)が意欲的にリハビリを行っていました。85床から始めて少しずつ数を増やしていき、まだST(言語聴覚士)が国家資格になる前、1985年からは言語療法を開始して、作業療法の施設基準も取得しました。

 新しく設けた今の療法室は山陰地区でもっとも広く、PT、OT(作業療法士)、STの資格者数は57人と充実しています。

 2006年には、山陰地区で初めてとなる回復リハビリテーション病棟を95床でスタートさせ、現在は113床に増やしました。

 この地域には、鳥取大学附属病院、山陰労災病院、米子医療センターと、急性期病院は3カ所あります。当院の入院患者のうち80%は、それらの病院から引き受けた方たちで、あとの20%が直接外来からの入院、または開業医院からの紹介です。この方たちに社会復帰に向けたリハビリ治療を行い、元気にすることがわれわれの使命です。

―人材の確保が重要になりますね。

 当院はPT、OT、STを目指す学生さんたちの研修機関でもあります。そのため、研修後に国家資格を取った方たちの中に、そのままここで働きたいという希望が多く、その分野の人材については恵まれているといえるでしょう。

 また、川崎医科大学の講師だった医師をリハビリ専門医として招きました。彼は指導医でもあり、さらに専門医の試験監督でもあるので、これからますますリハビリの体制が充実していくと期待しています。

―ワーク・ライフバランスの取り組みについて。

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 ワーク・ライフ・バランスとは、仕事の手順をすばやく、効率よくし、みんなが働きやすい環境をつくることです。まだまだコスト面などに課題はあるものの、私も職員と一緒になって取り組んでいるので、少しずつ改善されていると思います。

 たとえば、看護師の流出を食い止めるための取り組みとして、定年を65歳に延ばし、その間の給与は維持するという方針は、離職率を下げるよい結果につながりました。

 さらに、看護協会と連携を取って、出産や子育てで退職された方の復帰支援も行っています。不安もあるでしょうから、当院でもう一度教育をして現場に戻ってもらえるような道すじをつくりました。

―医師を志したきっかけはなんですか。

 小学2年生のとき、交通事故で大けがをして、足を切断されかけた。さいわい、大学病院の先生に知り合いがいて、切断せずに助かりましたが、手術は全部で16回。そのころから将来は整形外科の医者なると心に決めていました。

 大学院では骨軟部の悪性腫瘍を専門にしていました。人工関節ができてからは、切除する範囲を少なくして、患者さんの身体の機能を残す患肢温存手術にもいち早く取り組みました。

 医師になって10年ほどすると今度は体調がおかしくなった。交通事故手術の際の大量輸血でC型肝炎になっていたんです。C型肝炎を発症すると30年後には肝硬変、そして肝臓癌の可能性が出てきます。そんなとき、息子が肝臓をくれて、なんとか生体肝移植を受けて生きながらえることができました。そして、その息子は今、大学病院で移植グループの一員としてがんばっています。

 こうして生き延びられたからこそ、患者さんの痛み、苦しみが身にしみてわかるのかもしれません。

―今後の展望について。

 これから先、回復期リハビリ病棟、療養病棟を取り巻く状況は厳しくなってくるのではないかと懸念しています。地域ケア病棟など、いろいろといわれてますが、やはり回復リハビリ病棟はすごく大切です。

 もっと介護保険を利用してリハビリを行い、社会復帰する。在宅から通所でリハビリ訓練をしながら毎日を過ごし、最後は在宅で看取る。そうした体制づくりが米子地区にできつつあります。いかに充実した最期を迎えさせてあげられるかが、今めざす医療の姿なのかもしれません。


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